小売業
RPAとAI-OCR導入でECサイトの価格変更作業やお客様の注文処理を自動化し、月間190時間以上の工数削減に成功
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- ECサイト
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ベビー向けオーガニックスキンケア「ALOBABY(アロベビー)」をはじめ化粧品・健康食品の企画・販売を手がける株式会社SOLIAの経営管理部M様、BPR部H様、同じくBPR部のA様にRPAやAI-OCRの導入前の課題、活用方法、導入後の成果・効果についてお話を伺いました。
課題
- 海外製のRPAツールを導入していたがサポートサイトも英語表記でわかりにくいうえ、プログラミング知識が必要でRPAロボットの作成が難しかった。
- 担当者の退職により、運用できるものがいなくなり、早急なリプレイスが求められていた。
- BtoBの出荷作業において、手作業の多い発注書のデータ入力工程をいかに定型化するかが課題となっていた。
効果
- ECサイトの価格改定作業を自動化し、160時間かかる業務を1日で終わらせることができた。また、価格改定作業をRPAに任せたことで、CSの工数を使用することなくお客様対応に充てることができた。
- 公式サイトやECサイトへのシステム登録作業を自動化したことで作業工数が2/3削減できた。
- お客様の注文処理における決済エラーの解消を自動化したことで工数を半分に削減できたことに加え、日次の処理が可能になり、お客様の利便性も向上した。
- RPAとAI-OCRを組み合わせて使用することで出荷作業に費やしていた工数を大幅に削減。さらに属人化されていた作業の標準化や人的ミス削減にも成功。
業務の属人化や発注書フォーマットの多様性に対応するためRPAとAI-OCRの導入を検討
株式会社SOLIA(以下、当社)は、「ブランドを通じて、世界中の毎日を彩る」というビジョンのもと、化粧品や健康食品などの企画・販売を手がけています。ベビー・女性向けのオーガニックコスメや、メンズスキンケア、ボディケア製品など、幅広い消費財ブランドを国内外に展開しています。
中でも、国産オーガニックベビースキンケアブランド「ALOBABY(アロベビー)」は、敏感な赤ちゃんの肌を考えて作られた国産オーガニックベビースキンケアブランドです。99%以上が天然由来成分で無添加なので、新生児から安心して使えるのが特長です。
また、2021年に誕生したメンズ向けオーガニックスキンケアブランド「AMBiQUE(アンビーク)」は、20代から40代の男性を対象に、スキンケアやヘアケアはもちろん、プロテインやEAAといったボディメイク商品まで幅広く展開し、トータルケアブランドとして成長を続けています。
M様:これまで業務効率化を目的として、海外製RPAツールを活用していました。しかし、海外製RPAツールは、ロボ作成に一定のプログラミング知識が必要だったこと、サポートサイトが英語表記であったこと、運用で困ったことがあった際に問い合わせるところもなくサポート体制が十分ではなかったことなどの課題がありました。
さらに、今までRPAツールを運用していた社員が退職してしまったため、扱えるものがいなくなってしまいました。そこで、プログラミング知識がなくてもロボ作成ができるRPAツールの導入を検討し始めました。
A様:当社では、これまで発注書のデータ入力をすべて手作業で行っていました。
自動化や工数削減を検討する中で大きな課題だったのが、発注書のフォーマットがバラバラだったことです。お取引先様ごとのフォーマットを使用するケースと、当社指定のフォーマットを利用していただくケースの2パターンがあり、本来であれば発注書のフォーマットを統一できるのが理想でしたが、それが難しかったため、「どのようにして異なるフォーマットの発注書を一つのデータに集約するか」が大きな課題となっていました。
既存の仕組みでは対応が難しいとなり、新たな解決策を模索していたところ、AI-OCRツールの存在を知りました。ちょうどその頃、RoboTANGOを活用していたこともあり、スターティアレイズさんの提供するAI-OCRサービスの記事を拝見し、「これなら実現できるかもしれない」と思いました。
導入にあたっては、DX Suiteを含む4社のOCRサービスを比較しました。まずはスターティアレイズさんから詳しく話を聞き、その後、他社とも比較しながら、どのサービスが最適か検討しました。
RoboTANGO・DX Suiteの導入に至った背景と選定の決め手
RoboTANGOの導入の決め手はプログラミングの知識が不要な点、価格の安さ、サポートの手厚さ
M様:RoboTANGOの導入を決めた理由としては以下の5つです。
プログラミング知識がなくてもRPAが作成できる
分かりやすい操作性
国産(日本語対応)
価格
サポート体制
新たなRPAツールを導入するうえで、操作がわかりやすいこと、プログラミング知識がなくてもRPAロボットが作成できること、サポートサイトが日本語表記で問い合わせ対応をしてくれることなどを軸にいくつかの候補を挙げて検討を進めてきました。
そのなかで、RoboTANGOに決めたのは、プログラミングの知識が不要なことやほかのRPAツールに比べ価格が安価だったこと、サポート体制が充実していたという点が決め手となりました。その中でも、無料トライアルの時点で、サポートサイトがわかりやすいことや営業担当の方から手厚いサポートを受け、導入に至りました。
また、トライアル期間に以前使用していたRPAツールのロボをRoboTANGOでも動かすことができ、問題ないことも導入前に確認しました。
DX Suiteの導入の決め手は、低コストで始めやすいことと、読取後のデータ加工の柔軟性
費用感が月額3万円~と敷居が低く、始めやすいこと
読取後のデータ加工の柔軟性
A様:DX Suite導入の決め手は、月額3万円~という手頃な費用感で、導入のハードルが低く気軽に試せる点と、データ加工の柔軟性でした。特に、当社では取引先ごとに異なる発注書のフォーマットが多く、そのバラつきが大きな課題だったため、「どれだけ柔軟にデータ加工ができるか」という点を重視していました。
各社に問い合わせを行い比較検討を進める中で、多くのOCRツールは精度良く読み取れるものの、出力フォーマットのカスタマイズ性に差があることがわかりました。他社では「この形式でしか出力できない」「希望の形式にするにはプランのアップグレードが必要」といった制約がありましたが、DX Suiteは、出力するCSVデータの項目や順番を自由に調整できる点が大きな魅力でした。
費用の手軽さとデータ加工の柔軟性を総合的に評価し、DX Suiteの導入を決定しました。
RPA導入で月間の作業工数が半減。人的ミスの削減や創出できた時間でコア業務に取り組めるように
RoboTANGOでは、主にECサイトでの価格変更やECシステムへの商品登録、お客様からの注文処理、売上集計、さらにはシステムからのデータ取得・更新といった業務を自動化しています。
1.ECサイトでの定期購入者用の価格変更作業を自動化し、160時間分の作業時間削減を実現
M様:カスタマーサポート部からの依頼がありRPAロボを作成しました。当社では複数の総合ECサイトに出店し運営していますが、そのなかで商品の価格変更が発生し、管理画面から一つひとつ顧客名や番号で検索して変更を行わなければならず、手作業で処理しようとするとカスタマーサポート部の担当者の大きな負担になってしまう作業がありました。
本来5名で1週間ほどかけて160時間程度費やす必要がある作業ですが、RPAで自動化をしたことで人の手を使わずに24時間もあれば完了できました。担当者は空いた時間を顧客対応に充てられるようになったので生産性の向上につながりました。
1つ作成したロボをコピーし、それぞれの作業に合わせてシナリオを修正する方法で最終的に8個作成しました。導入してすぐの段階で作成したロボですが、全部合わせて作成時間は4~5時間で完成しました。
2.システムへの登録作業を自動化し、月間5時間かかっていた作業が1/3に削減
H様:当社ではオンライン販売が主流で、これまで公式サイトや楽天などのECサイトに商品情報などの登録作業をすべて手作業で行っていました。それをRPAで自動化し、工数を削減することができました。
導入前は登録作業に加えてセルフチェックやダブルチェックを含め、1件あたり20~30分かかっていましたが、現在はRPAが登録作業を担当することで、作業時間が大幅に削減されました。今では人が行うのは最終的なダブルチェックのみとなり、作業時間が1件あたり5~10分に短縮され、かなり効率的になったと思います。
結果として、以前は月間300分かかっていた作業が、RPA導入後は月間100分までに短縮され、業務負担を半分以上削減することができました。
3.決済エラー対応を自動化し作業時間を半減。日次処理が可能になりお客様の利便性も向上
H様:カスタマーサポート部の依頼を受けて、クレジットカードや後払いサービスの決済時に発生する「決済エラーへの対応」をRPAで効率化しました。
社内リソースの関係上、対応は週1~2回に限られていたため、もっと迅速に対応できるように再審査のプロセス全体をRPAで自動化することにしました。現在は、エラーが発生したものに対してRPAがまとめて再審査を行い、審査結果に応じてお客様に通知する仕組みを構築しています。
自動化により日次での処理が可能になり、作業時間が約半分に削減されました。
また、手作業からRPAに切り替えたことで、システムの処理中に人が待機する必要がなくなったことや人的ミスの防止にもつながり、大きな効果を実感しています。
カスタマーサポート部からは、「迅速に審査が完了できるようになり、お客様の利便性が向上した」との嬉しいフィードバックもいただきました。
A様:カスタマーサポート部では出荷処理やお客様対応などもある中で、出荷作業はこの時間しかできないという限られた時間内で行わなければならない作業が結構多いのですが、RPAで自動化したことで業務に集中できるようになり、時間の使い方に融通が利くようになったことはメリットとして大きいと感じています。
4.売上集計処理を自動化。海外製のRPAからRoboTANGOへ移行
M様:売上集計処理をRPAで自動化しました。当社ではさまざまな販路で販売しているため、各ECサイトからデータをダウンロードして社内システムに取り込む必要があります。以前は海外製のRPAを使って自動化していたのですが、運用面での課題があったため、RoboTANGOに移行しました。
具体的には、各ECサイトのシステムから売上データを自動でダウンロードし、社内システムへ登録する流れをRoboTANGOで自動化しています。この作業はデータ量が多いため、夜間に処理を自動で行うようにしています。
RoboTANGOに移行したことで、メンテナンスも社内で対応できるようになり、以前より安定した稼働が実現できています。
AI-OCR×RPAで発注書の読み取りからシステムの登録まで自動化し、月間60時間から30時間まで工数を削減
お取引先様からの発注書処理業務を、「RoboTANGO」と「DX Suite」を活用して自動化しました。
DX Suiteで発注書の読取業務を自動化し、正確性向上と属人化解消へ
A様:DX Suiteは主に当社の出荷担当が、発注書の読み取り業務に活用しています。
当社はメーカーでもあるため、お取引先様から月間で約100件の発注書が届きます。以前は、発注書の内容を手作業でExcelに入力していましたが、DX Suiteの導入によって、発注書をデータ化し、効率的に処理できるようになりました。
導入後は、すべての発注書をデータ化し、統一的に処理できるようになったことで、手作業の負担が大幅に軽減されました。また、当初想定していた発注頻度を上回る件数があることがわかり、このタイミングで自動化に踏み切ることができて本当に良かったと感じています。
DX Suiteの活用によって、属人化の解消と業務の標準化も実現できました。これまでは担当者の経験に基づいて対応していたため、ミスのリスクがありました。そのため、担当者が不在でも正確に対応できる体制を整えることが必要だと感じていました。そこで、DX Suiteの「ユーザ辞書」という機能※を活用して仕様をマスタデータ化したことで、誰が対応しても正確に処理ができるようになり、経験の浅い担当者でも安定した対応が可能になりました。
さらに、手作業での入力では、数量の誤入力などの人的ミスが発生するリスクがありましたが、DX Suiteで最小限のデータを読み取り、ユーザ辞書と紐づけることで、手作業の負担を減らし、人的ミスの削減にもつながりました。
※1)DX Suiteの「ユーザ辞書」機能とは?
読取った文字列以外の文字列に変換することができる便利な機能です。
たとえば、読取った文字列をユーザ辞書に登録してある一番近い文字列に変換(補完)したり、読取った文字列をユーザ辞書に登録してある全く違う文字列に変換(置換)したりすることができる機能です。
RPAでシステムへの受注登録とチェックシート作成業務を自動化し、業務効率化へ
A様:DX Suiteでテキストデータ化した発注書データをもとに、RPAを活用して社内システムへの登録作業やチェックシートの作成を自動化しました。
この結果、一連の作業をRPAで自動化したことで、業務の効率化が大幅に進みました。
DX SuiteとRoboTANGOを組み合わせて活用することで、出荷作業にかかっていた月60時間の工数を30時間まで削減し、業務の大幅な効率化を実現しました。
RoboTANGO導入効果と操作性の評価について
H様:時間指定で対応しなければならない作業や、決められた時間までに完了させる必要がある業務があったため、単純な工数削減だけでなく、特定の時間に人を割り当てる必要がなくなったことが大きな成果だと感じています。
また、正確性の向上についても大きな効果を実感しています。登録や転記作業は、人の手でも一定の精度で対応できますが、RPAは機械的に処理を行うことで、安定した品質を確保できる点が強みだと思います。そのため、すべての業務において正確性が向上したと感じています。
M様:導入の際、何回かにわたって説明とレクチャーをいただいたので、その時にRPAにできることが理解できてすごくありがたかったです。足りなかったという印象はほとんどありません。
ロボ作成をしていてわからないところがでてきたらヘルプサイトで検索し、大体のことは解決できるので、どうしてもわからないことはありません。録画機能でシナリオの大枠を作成してから調整を加えていく運用でロボを簡単に作成しています。
全社的な業務効率化を目指し、RPAの活用を拡大へ
H様:作成したロボの仕組みが、作った本人しか分からない状況になってしまうのはよくありませんので、社内で設計書のフォーマットを統一し、どのような仕組みで動いているのか、また、どの時間に何が稼働しているのかを関係者間で共有できるようにしています。
また、どの作業がRPA化できるのかは、実際に見たことがない人にとってはイメージしにくいと思いますので、どの業務をRPAで自動化し、どのような効果が得られたのかといった実績を、社内でも共有するようにしています。情報を共有することで、「自分の部署でも活用できるかも」と具体的にイメージしやすくなると考え、意識して行動しています。
H様:今はRPAの作成やメンテナンスができる人が社内でも限られているので、その人数を増やしていきたいと考えています。メンテナンスができる人が増えれば、より安定した運用が可能になりますし、全社的にまだまだ効率化できる業務があると思うので、そうした業務の自動化をさらに促進していきたいですね。
RoboTANGOもDX Suiteもどちらも導入のハードルが低く、使いやすいツール
H様:実際にRoboTANGOを導入してみて、「本当に誰でも扱えるな」というのが率直な感想です。事前知識がなくても、わりとスムーズに使いこなせるのではないかと思います。実際、私たちの部署でもRPAに触れたことがないメンバーばかりでしたが、自部署だけでなく他部署でも比較的早い段階で活用が進み、業務の自動化を実現できました。そういった意味で、特別なスキルがなくても導入しやすいツールですので、工数不足の方にはぜひおすすめです。
A様:DX Suiteについても同様に、手作業の工数削減や正確性の向上を実現できる点が非常に魅力的です。RoboTANGOもDX Suiteも、どちらも導入のハードルが低く、非常に使いやすいツールだと思います。
株式会社SOLIA
https://www.solia.co.jp/
化粧品・健康食品等の企画・販売
50名
RPA「RoboTANGO」、AI-OCR「DX Suite」
BPR部、経営管理部、SCM部、カスタマーサポート部
有
