RPAツールとは?

RPAツールとは、ホワイトカラーがパソコン(Windows・Mac)を使って行う定型業務の自動化を行うツールです。具体的には、自動化したいシステムやツールの操作手順を覚えさせたロボットを作成し、そのロボットが人間の代わりに作業を行います。
従来、業務の自動化といえば、工場や生産現場など主にブルーカラーが行う業務の自動化が中心でした。しかし、RPAツールはホワイトカラーが行うさまざまな業務を自動化するとして、「蒸気機関」「石油・電気」「IT」に続く第四次産業革命の中心を担うともいわれています。

矢野経済研究所が2020年12月7日に発表した、「RPA市場規模推移・予測」を見ると、RPAツール(関連サービス含む)の市場規模は、2016年で85億2,000万円ですが、2019年には529億7,000万円と6倍以上に増加。さらに2023年には、1,520億円と4年で3倍近く増加すると予測しています。
参照:RPA市場規模推移・予測|矢野経済研究所

また、MM総研が2020年1月27日に発表した、「RPA国内利用動向調査2020」のなかで、企業規模別のRPA導入率調査の結果を公開しています。このなかで、2019年時点では、大手企業の導入率が51%なのに対し、中堅・中小企業では25%と半分以下です。しかし、導入検討中の割合は、2018年6月の33%から2019年11月は44%とわずか1年5か月で11%も増加。この結果から見て今後は企業規模にかかわらず、RPAツールが大きく普及していくと予測できます。
参照:RPA国内利用動向調査2020|MM総研

RPAツールとExcelマクロ、VBAとの違い

パソコンを使った業務の自動化といえば、Excel(エクセル)のマクロやVBAを思い浮かべるかたも多いのではないでしょうか。しかし、RPAツールとExcelマクロやVBAには次のような違いがあります。

エクセルマクロ

エクセルのマクロとは、「エクセルで作成した表の体裁を整え印刷」「入力されたデータの必要な部分だけを抜き出して集計・グラフ作成」など、エクセルで行う操作を自動化させるものです。

VBA

VBAとは、Microsoft(マイクロソフト)社のOffice製品のみで使えるプログラミング言語です。エクセルのほか、WordやAccessなどOffice製品で行う業務の自動化を行うために使用します。エクセルのマクロもVBAを使って操作します。

RPAツール

RPAツールがマクロやVBAと大きく異なるのは、種類にもよりますが、Office製品はもちろん、それ以外のツールにも活用が可能な点です。「会計管理ソフト」「MAツール」「メールソフト」などさまざまなベンダーから提供されるツールの自動化を行います。

RPAツールとAIの違い

業務の自動化では、AIとRPAツールを混同されるかたも多いかもしれません。AIとRPAの違いは、AIが自分で学習し、法則性を導き出し、自らで判断して業務を行うのに対し、RPAは人間が指示をしたとおりにしか動かない点です。ただし、現在ではRPAにAIを組み込んだものも増えつつあります。

RPAツールの種類

RPAツールの概要を見たところで、次にRPAツールにはどのような種類があるのかについて説明します。

サーバー型

自社のサーバーにインストールして利用するRPAです。サーバー内でロボットを作成するため、社内のさまざまなシステムの自動化を一括で管理できます。全社でRPAを導入するのに適していますが、RPAツールのなかでは、価格も含めた導入費用がもっとも高いタイプです。

デスクトップ型

社内で個別のパソコンにインストールして利用するRPAで、1台のパソコン内で完結する業務の自動化に適したタイプです。導入費用は抑えられますが、導入したパソコンの持ち主のやり方でロボットを作成してしまうと、属人化してしまう可能性もあります。

クラウド型

RPAツールを提供するベンダーが管理するクラウドサーバー上にあるRPAツールにアクセスして利用するタイプです。自社のサーバーやパソコンにインストールする必要がないため、比較的安価で導入の敷居はもっとも低いタイプですが、すでにパソコンやサーバーにインストールされているツールやシステムの自動化ができない場合もあります。

また、RPAツールには無料のものと有料のものがあります。無料のものはオープンソースで提供されているケースが多く、プログラミングの知識があれば自由にカスタマイズをしたり、オリジナルのRPAツールを自作することも可能です。また、有料版をトライアルとして期間限定で無料としているものもあるので、初めての導入時は、まずトライアルで使い方や機能の確認をされるとよいでしょう。

RPAツールが得意とする業務

RPAツールが得意とする業務は、パソコンを使った定型業務ですが、そのなかでも得意なものは次のとおりです。

定型業務でミスが許されない業務

社員の残業時間計算や売掛金、買掛金の集計など簡単ではあるもののもミスが許されない業務はRPAツールがもっとも得意とする業務のひとつです。

手作業で行うと時間や手間がかかる業務

ペーパーレスが前提とはなりますが、請求書を発行し、取引先へ送る業務。全国の販売店舗から送られてくる商品別売上の集計・表作成など手作業で行うと数日かかるような業務もRPAツールであれば、短時間で完結させられます。

深夜や休日、繁忙期に発生する業務

セールやバーゲンなどの販売受注処理や繁忙期の商品発注、倉庫での入出庫管理など深夜や休日、繁忙期に集中する定型業務もRPAツールがあれば簡単に行えます。

複数システム、部署をまたがった業務

「営業管理システムに登録された最新の取引先データを顧客管理システムで更新する」「会計管理ソフトで作成した請求書をメールソフトで取引先に送る」など、複数のシステムや部署をまたがった業務の自動化もRPAツールの得意分野です。

RPAツールが求められる理由とは?

RPAツールがここまで急速に普及が進んでいる主な理由としては、次の3点が考えられます。

少子高齢化

世界に類を見ないスピードで進む日本の少子高齢化は今後、さらにスピードを上げて進んでいます。総務省が毎年公開している、「情報通信白書(平成28年版)」では、15~64歳の生産年齢人口が1995年(8,716万人)をピークに、2030年には6,773万人まで減少すると予測。その結果、多くの業種で人材不足が慢性化し、少ない人数でこれまでのような利益を上げるには、業務の自動化による効率化が必須となっています。
参照:情報通信白書(平成28年版)|総務省

働き方改革

政府が推し進める働き方改革。その3つの柱となっているのが、「労働時間の是正」「正規・非正規間の格差解消」「多様で柔軟な働き方の実現」です。このなかで、RPAの導入に関連しているもののひとつは、「労働時間の是正」で、前述したように業務効率化により残業時間削減に大きな効果を発揮します。
そして、もうひとつは、「多様で柔軟な働き方の実現」です。業務効率化が進み、短時間労働が可能になるうえ、クラウド型RPAの導入により、テレワークでの業務もさらに効率化され、社員のワークライフバランス向上にもつながります。

IT技術の進化

RPAの普及が進む最後の理由として挙げられるのがIT技術の進化です。これはRPA自体の機能が向上したのはもちろん、ホワイトカラーが行う定型業務の多くがシステムやツールを使ってできるようになった点が挙げられます。この双方の進化により、RPAが活用できる業務が増え、急速に普及が進むようになっているのです。

RPAツールによって得られるメリットとは?

RPAツールの概要や特徴、求められる理由を見てきましたが、実際にRPAツールの導入は企業にとってどのようなメリットがあるのでしょう。ここでは、主なものとして次の5点を説明します。

人手不足の解消

パソコンを使った定型業務は、単純ではあるものの手間がかかるものがほとんどです。そのため、RPAツールによって定型業務が自動化されれば、多くの手間が軽減され人手不足解消に大きく貢献します。
また、業務の自動化がなされるとしても、ロボットの作成を行うための人材が必要になるのではと思われるかたも多いかもしれません。しかしRPAツールは多くの場合、パソコンの画面上もしくはWebブラウザ上で簡単な操作をするだけでロボット作成が可能です。
プログラミングの知識も必要としないため、プログラマーを新たに雇用する必要がなく、現場だけでRPA運用管理ができるのもメリットといえるでしょう。

業務の属人化防止

RPAツールによって業務の自動化が進めば、誰であってもボタンひとつで業務が行えるようになります。その結果、決まった社員しか使えないシステムが減り、業務の属人化防止実現が可能です。

人材教育コストの削減

通常、新入社員や中途入社社員には、システムを活用できるようになるための教育コストがかかります。しかし、RPAツールで業務が自動化されているものに関しては、最低限の教育だけで済むため、コスト削減が可能です。

ヒューマンエラーの削減

RPAツールは基本的に人間が覚え込ませた操作を正確に間違えず繰り返し行います。そのため、指示が間違えていない限り、計算ミスや操作ミスなど人が行えば生まれる可能性があるヒューマンエラーはまずおきないといってよいでしょう。

社員にかかる負担の軽減

多くの定型業務は、それほど複雑な業務ではありません。しかし、これまで説明したように単純ではあるものの、ミスが許されなかったり、手間がかかったりするケースが多いのが定型業務の特徴です。

これらの業務がRPAツールによって自動化されれば、社員の手間が軽減されるだけではなく、ミスが許されないという心理的負担も大幅に軽減されます。その結果、生産性の高い業務に集中できるようになり、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

RPAツール導入・運用に失敗してしまう理由とは?

さまざまなメリットを持つRPAですが、導入さえすれば必ず成果を上げられるわけではありません。そこで、ここではRPAツール導入・運用の段階でよく起こりがちな失敗例を紹介します。

RPAツール導入時の失敗例

RPAツールの理解不足

急速に普及が進むRPAツール、大手企業では導入率が半数を超えていますが、中堅・中小企業の導入率はまだ4分の1程度です。そのため、まだRPAツールの理解が進んでいないまま、導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
「大手企業では当たり前になりつつある」「競合が導入した」などの理由だけで導入を進めてしまうと、失敗に終わってしまう可能性も高まるでしょう。

自社の問題点や課題点をわかっていない

RPAツールはパソコンを使った定型業務の自動化を得意としていますが、毎回手順が異なる業務や分析をしながら進めていく必要のある業務など、苦手とする業務も存在します。つまりパソコンで行う業務だからといって、RPAツールを使えばすべてが自動化できるわけではありません。
そのため、自社の問題点や課題点が、RPAツールでは解決しないケースもありえます。そうした状況でRPAツールを導入しても業務の効率化や生産性向上は見込めないでしょう。

RPAツール運用時の失敗例

RPAツール導入はうまくいったとしても、運用の段階で失敗してしまうケースも少なくありません。そこで運用時の失敗例に続き、運用段階で起こる失敗について説明します。

いきなり全部署で運用しようとする

運用時の失敗例でも触れたように、RPAツールはまだ普及段階であり、導入したとしても、すべての社員がその機能やメリットを理解しているわけではありません。また、知っていたとしても、その効果を懐疑的な目で見る社員も少なくないでしょう。
RPAツールに限らず、社内業務を大きく変革させる際、一気にすべてをかえようとしても上手くはいきません。特にまだ認知が十分ではないツールを急に全部署で運用しようとしても、協力を得られずに失敗に終わる可能性は限りなく高くなります。

RPAツールに短期での成果を求めてしまう

RPAツールの運用によって得られる成果は、「業務効率化」「生産性向上」「人材不足解消」などどれも短期間で結果を出すのは簡単ではありません。基本的にRPAツールの運用は、PDCAを回しながら中長期的な視点での運用が必要となります。短期での成果を求めてしまうと、思ったような成果は出ず、そこで利用を止めてしまうケースも少なくありません。

定期的な確認を怠ってしまう

RPAツールで作成したロボットは、人が行ったシステムやツールの操作手順のとおりにしか動きません。そのため、システムやツールがバージョンアップし、操作を行うボタンの位置や操作手順が変わった際、改めてロボットを作成し直さないと正常に機能しなくなります。また、バージョンアップしていない場合であっても、操作手順を知っている社員が異動、退職した場合、その業務が少しでも変われば新たなロボットを作成できなくなります。そうなれば、そのシステムを使った業務のブラックボックス化が起こり、業務のボトルネックとなってしまうでしょう。

RPAツール導入・運用で失敗しないためのポイント

RPAツールはまだまだ新しいツールであることもあり、導入・運用で失敗するケースは少なくありません。そこで、前項で挙げた失敗例を踏まえ、導入・運用で成果を上げるためのポイントを説明します。

RPAツールの導入を失敗しないための主なポイント

RPAツールの導入に失敗しないための主なポイントとしては、RPAツールの正しい理解を前提として、次の三点が挙げられます。

自社の問題点・課題点の可視化

RPAツール導入の検討を始めた段階で、自社の業務プロセスをすべて書き出し可視化させます。そのうえで、業務を滞らせてしまっているボトルネックを見つけ出しましょう。
可視化のポイントとしては、部署ごとに業務プロセスを可視化させるだけではなく、部署をまたがる業務においてもそのプロセスを可視化させることです。部署内ではスムーズに進んでいる業務でも、それが別の部署に移った段階で滞ってしまうケースは少なくありません。これでは問題点・課題点は見つけられないため、必ず部署をまたがる業務プロセスの可視化も忘れないようにしましょう。

もう一点、重要なポイントは、自社のボトルネック解消にRPAツールが最適なのかどうかの判断です。先述したようにRPAツールには、得意な業務と苦手な業務があります。もし自社のボトルネックが、RPAツールの苦手とする業務だとすれば、導入しても問題は解消されません。
そのため、業務プロセスの書き出しによる問題点・課題点の可視化を行った際は、そのボトルネック解消にRPAツールが役立つのかをしっかりと検討する必要があります。

RPAツール導入目的の明確化

業務のボトルネック解消は何のために行うのか、導入目的の明確化も重要なポイントのひとつです。たとえば、業務効率化を実現させたい場合、人がやった場合とRPAツールを導入してやった場合でどれぐらい短縮化されるのかを明確にする必要があります。
生産性向上を目的とした場合、定型業務をRPAツールに任せ、その時間を生産性の高い業務に集中することで、どれだけ利益向上が見込めるのかを明確にする必要があるでしょう。
単純にボトルネックの解消といった目的を掲げても曖昧で成果が見えきません。必ず、「RPAツールは何を目的に導入するのか」「導入によって何を達成させたいのか」これらのKGIやKPIも忘れずに明確にしておきましょう。

なお、目的を明確化する際の注意点としては、コスト削減を意識しすぎないことです。もちろんコスト削減も重要ではありますが、そればかりを意識すると、RPAツールが持つ本来の力を十分に発揮させられない可能性が高まります。
例えば、これまで人が行ってきた業務をRPAツールに代替することで人件費を減らしたとしても、それほど大きなコスト削減にはつながりません。それよりも、これまでは人手不足で売り逃しをしていた商品の受注業務を自動化すれば、人件費のコスト削減以上に売り上げ増が期待できます。
コスト削減は、RPAツール導入による施策を実行した結果についてくるものであり、それを目的としてもあまり高い効果は期待できないでしょう。

チームをつくり、計画的に導入を進める

社内の業務プロセスの可視化、目的の明確化などは簡単に行えるものではありません。そのため、各部署から代表者を出して専用のチームをつくり、計画的に導入を進めていく必要があります。
ただし、RPAツールの導入に懐疑的な社員が多い場合は、専用チームを作成するのも難しいでしょう。その際は、導入に積極的な社員、部署を募り、まずはひとつの部署だけで始めるのも方法のひとつです。運用にかんしてもデスクトップ型やクラウド型のRPAツールを使用すれば、一部の部署、ひとつのシステムやツールだけで始められます。
どちらの場合であっても、曖昧なまま進めていくのではなく、事前の計画をしっかり立てたうえで進めて行くようにしましょう。

RPAツール運用を失敗しないためのポイント

RPAツールの導入に成功しても、安心せず次の運用をスムーズに進めていかなくてはなりません。そのための主なポイントは次の3点です。

スモールスタートで始める

運用のポイントでも説明したように、RPAツールは現時点において必ずしも全社員の認知を得ているツールではありません。その段階でいきなり全社に導入するのではなく、まずは比較的簡単に成果を上げやすい業務でスモールスタートし、小さな成功を積み重ねていきます。
ひとつの部署で成果が出たとなれば、少しずつRPAツールに興味を持つ社員も増えてくるため、その社員を巻き込み徐々に運用の範囲を拡大させていきましょう。

バージョンアップ時に確認をする

RPAツールのロボットは一回作成したらそれで終わりではありません。ツールにもよりますが、RPAツールでロボットを作成する主な方法は、人がパソコン上で行う作業をそのままロボットに覚えさせる。または、ドロップ&ドラッグで操作手順を一つひとつ並べていく形でロボットに覚えさせます。ひとつでも操作手順が変わる、ボタンや入力箇所の位置が変わればロボットは正常には動かなくなります。
そのため、システムやツールがバージョンアップした際はもちろん、それ以外でも定期的に操作手順が変わってないか、デザインが変わってないかなどを確認するようにしましょう。

操作手順をまとめて残しておく

企業によって異なりますが、RPAツールを使っているシステムの扱いかたを知っている人が社内に一人しかいないケースも少なくありません。そうしたシステムやツールがバージョンアップした際、その社員がすでにいなくなっていると誰も動かせなくなってしまいます。
そもそも業務の属人化防止にもつながるRPAツールにもかかわらず、一人以外誰も使えないようでは導入した意味がありません。そこで、RPAツールを使うシステムの使い方や操作手順は必ず何かしらの形で残し、社内でシェアできる状態にしておきましょう。これにより、RPAツールの属人化が防げ、バージョンアップ時にもすぐに対応が可能になります。

RPAツール選定のポイント

RPAツールを使って成果を上げるには、導入・運用時に加えてもうひとつ重要なポイントがあります。それは、多くのベンダーから販売されているRPAツールのなかから、どれを選定するか、その選び方です。
現在、販売されているRPAツールはベンダーによってさまざまな特徴があるうえ無料のものもあれば有料のものもあり、そのなかから自社に適したものを選定するには簡単ではありません。ここでは、自社に最適なRPAツールの選び方のポイントを4つ紹介します。

プログラマーの力を借りずにロボットを作成できる範囲を見る

RPAツールは基本的にプログラミングの知識がなくてもロボットの作成が可能です。しかし、複数のシステムを連携させて行う業務や一度にいくつもの作業が必要な業務などの場合はどうでしょう?複雑な業務を行うためのロボット作成には、プログラミングは必要ないものの、論理的思考や実装するためのロジックなど、プログラミング的思考を求められる場合もあります。
また、自社のシステムの使い方に合わせてRPAツールのカスタマイズが必要な場合も少なくありません。そうした際、どれだけプログラマーの力を借りずにロボットを作成できるのか、その範囲を確認します。「誰もが簡単にロボット作成ができる範囲」「カスタマイズの自由度」。この二点に関して、特に社内にプログラマーがいない場合は必ず確認するようにしましょう。

RPAツールベンダーのサポート体制が万全かどうかを見る

どれだけ簡単にロボット作成ができるとしても、導入・運用の初期段階においてはわからないことも多いでしょう。その際、重要になるのがベンダーのサポート体制です。価格や機能、人気、使いやすさだけで選定してしまうと、サポートがメール対応しかない、問い合わせをしてから返答までに2日以上かかる場合もありえます。そのため、どれぐらいのサポート体制が整備されているかも必ず確認しておきましょう。
選定のポイントは、「電話・メールでの問い合わせ対応」「個別チャットサポート」「オンラインサポート」「事前ヒアリング・業務選定」「ロボット作成勉強会」「RPAツールの使い方講座」などです。これらのサポート体制を整備しているベンダーを選定すれば、スムーズな導入・運用がしやすくなります。

サーバー型、デスクトップ型、クラウド型のどのタイプのRPAツールが合うかの確認

RPAツールを選定するうえで、まず決めておかなくてはならないのが、サーバー型・デスクトップ型・クラウド型のどのタイプにするかです。これは、自社がどの業務にRPAを使うか、導入費用はどれぐらいを予定しているかによって変わってきます。

サーバー型がおすすめの場合

社内にプログラマーがいて、導入費用をかけて自由にカスタマイズを行いたい場合や、全社もしくは複数の部署を横断した業務の自動化をしたい場合。

デスクトップ型がおすすめの場合

導入費用を抑えスモールスタートでといった場合や、社内にプログラマーがおらず、現場だけで自動化を進めたい場合。

クラウド型がおすすめの場合

自動化したいシステムやツールのほとんどがクラウドサービスの場合や、導入後、すぐに運用を始めたい場合。

導入するRPAツールが社内で使用している既存システムに対応しているかどうかの確認

RPAツールの多くは、さまざまなベンダーが提供しているシステムの自動化に対応しています。しかし、種類によっては自社が使っている既存システムやツールに対応していない場合もありえるでしょう。導入した後で使えないとなっては運用できる範囲が狭まってしまい、RPAツール本来の効果は期待できません。そのため、必ず事前に自動化したいシステムが導入を検討しているRPAツールに対応しているかどうかの確認をしましょう。

おすすめのRPAツール比較

前項での選定ポイントを踏まえ、ここでは人気の高いおすすめのRPAツールを紹介しますので、選定の参考にしてください(ここで紹介するサポートは一部有料で提供されているものもあります。詳細はそれぞれのWebサイトでご確認ください)。

初めての導入・運用でも簡単にロボット作成が可能なRPAツールを探している企業におすすめ「RoboTANGO」

RoboTANGOサイトのキャプチャ

特徴

簡単にロボット作成ができ、費用を抑えて導入をしたい企業におすすめなのが、スターティアレイズ株式会社が提供する国産RPAツール、RoboTANGOです。画面上で人が操作をする様子を録画するだけで簡単にロボット作成が可能なため、初めてのRPAツールとして最適といえるでしょう。また、1つのライセンスを複数のパソコン端末で使えるのもおすすめする理由のひとつです。

サポート体制

「業務整理・RPA適用コンサルティング」、RPA操作勉強会を実施する「RoboTANGO有償導入支援パッケージ」、ロボシナリオの作り方をサポートする「RoboTANGO専用ヘルプセンター」など

価格

初期費用10万円、1ライセンスにつき5万円/月、料金無料トライアルあり

利用企業が多いRPAツールを探している企業におすすめ「WinActor」

WinActorサイトのキャプチャ

特徴

WinActorは、NTTグループが開発した国産のRPAツールです。2019年12月末の時点で1,900社を超える企業が利用していて、高いシェア率を持っています。すでにさまざまな業種での導入実績があるため、事例も多く初めてでも安心して導入を進められます。

サポート体制

100人以上の担当者が在籍する、「WinActor専用問い合わせセンター」、7時間の初心者向け操作研修、業務整理・RPA適用コンサルティング、対面によるQA対応など

価格

フル機能ライセンス(908,000円/年)、実行版ライセンス(248,000円/年)有償トライアルサービス(190,000円/60日間)、トライアルライセンス(無料/30日間)

カスタマイズの自由度が高いRPAツールを探している企業におすすめ「UiPath」

UiPathサイトのキャプチャ

特徴

ITRの「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021」の国内RPA市場で売上シェア第一位を4年連続獲得。2021年ガートナーのマジック・クアドラント ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)部門でリーダーの評価を3年連続で獲得。「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2021-2022」のRPAソフト/サービス部門において3年連続ランキング1位を獲得など、国内外で高い評価を得ているRPAツールです。海外製ですが、日本語サポートもあるうえ、カスタマイズの自由度が高いため、大手企業におすすめです。

サポート体制

料金無料のRPAトレーニング(UiPathアカデミー)、世界中のユーザーと情報交換ができるフォーラム(日本語版もあり)、さまざまなノウハウを提供するナレッジベース、カスタマーサポートなどが用意されています。

価格

要問合せ。30日間・60日間の料金無料トライアルがあります。

用途に応じて最適なRPAツールを探している企業におすすめ「BizRobo!」

BizRobo!サイトのキャプチャ

特徴

まずはスモールスタートで、ゆくゆくは全社で横断的に利用し、カスタマイズの自由度も欲しいという際におすすめなのが、RPA テクノロジーズ株式会社が提供する国産RPAツール、BizRobo!です。「mini」「Lite」「Basic」「DX Cloud」「B!aaS」の5種類が用意されているため、サーバ型、デスクトップ型、クラウド型など用途の応じた選定が可能になります。導入から活用拡大まで専任体制でサポートすることから、一貫したサービスを受けられるのもおすすめの理由です。

サポート体制

Webセミナー、e-ラーニング、チュートリアル動画などによるBizRobo! アカデミー。オンライン・オフラインでのユーザー会などが用意されています。

価格

Basic 720万円/年、Lite 120万円/年、lite+ 180万円/年 どちらも初期費用30万円、mini 90万円/年 DX Cloud 初期費用20万円 クラウド利用料240万円/年、従量課金 0.1円/アクション B!aaS 4万円~/月 1ヶ月料金無料トライアルもあります。

RPAツール導入・運用成功はサポート体制がしっかりしているかがカギ

多くの企業で導入が進んでいるRPAツールですが、導入した企業すべてが成果を上げているかといえばそうではありません。「競合が使っているから」「ほかで成果を上げたと聞いたから」などの理由で導入を進め、上手くいかずに運用を止めてしまった企業も少なくないのではないでしょうか。
RPAツールの導入を成功させるためのポイントは大きく2つ。ひとつはRPAツールの使い方やできることできないことの理解。そしてもうひとつは、自社の問題点・課題点を明確にし、その解決策としてRPAツールの活用が本当に正しいのかどうかの確認です。
上記2つのポイントを確認したうえで、運用を成功させるためには、自社に最適なRPAの選択ですが、「導入費用が安い」「機能が豊富」「人気が高い」だけではなく、最大のカギはサポート体制が充実しているかどうかです。

そこでおすすめしたいのがスターティアレイズ社が提供するRPAツール、「RoboTANGO」。「業務整理・RPA適用コンサルティング」、RPA操作勉強会を実施する「RoboTANGO有償導入支援パッケージ」、ロボシナリオの作り方をサポートする「RoboTANGO専用ヘルプセンター」など万全のバックアップ体制で御社のRPAツール運用を支援しています。RPAツール導入をご検討の際はぜひ、お気軽にご相談ください。