サーバー型RPAとは
まずはサーバー型RPAについてです。サーバー型RPAは、複数のPCとつながるサーバー上で、ロボット(業務支援システムやソフトウェア)が業務を横断的に効率化します。複数台のPCに対してRPAの機能を発揮することができるので、大きな組織向けだと言えるでしょう。また、RPAによって簡略化したい業務が、多岐にわたっているという場合にも有効です。
サーバー型RPAの特徴
ロボット(業務支援システムやソフトウェア)がサーバー上にあるため、1つのシステム・サービスを導入することで、複数台のPC・アカウントの業務を効率化することができます。逆に、サーバー上に複数のRPAを導入し、1台のPCに対して複数のロボットが支援するという体制をとることも可能です。
このような使い方ができるのは、RPAがサーバーという容量の大きな場所で稼働するためです。1つのPC内で複数のRPAを展開するということは、処理領域的にあまり現実的ではないでしょう。
さらに、RPAによって処理したいデータや情報に関しても、PC上よりもサーバー上のほうが多くストックすることができます。サーバー型の大きな特徴は、このような大容量を活かした高いパフォーマンスです。
また、特定のPCが不具合を起こした場合でもサーバー型RPAならPCを変えて対応することができます。代替性の高さもサーバー型が持つ魅力だと言えるでしょう。複数の担当者が関わる業務を効率化したいという要望がある場合には、サーバー型が重宝されるはずです。
デスクトップ型RPAとは
次にデスクトップ型RPAについてです。デスクトップ型はその名の通り、特定のPC上に置くことで、機能を発揮するRPAです。1つのPC上でのみロボットが機能し、業務効率化を実現します。1人の担当者の仕事、あるいは特定の業務が煩雑で、簡略化しなくてはならない状況で、効果を発揮するものです。
デスクトップ型RPAの特徴
コスト面では、PC上での活動を想定されているデスクトップ型は比較的リーズナブルです。RPAを導入することでどのくらいメリットがあるのか不安という場合には、まずはコストを抑えて特定業務の効率化からスタートし、その効果を実感してから改めて全社的に導入を進めていくという方法をとることもできます。
導入後の業務紐づけに関しても、PC上にあるデスクトップ型のほうが細かい設定がしやすく、運用面でも柔軟なカスタマイズが可能です。変更を行う際にも、1つの環境・機能での効果だけを考えればいいので、担当者の判断で素早く最適な状態に変えていくことができます。
解決したい課題が明確で、できるだけ早くRPAの効果を実感したいという場合にはデスクトップ型が適しているでしょう。
サーバー型RPAとデスクトップ型RPAの大きな違い
ここまで紹介してきたように、サーバー型とデスクトップ型にはそれぞれいくつかの特徴がありますが、大きな違いは次の2つです。そして下記は、表裏一体の要素だと言えます。
- 導入コスト
- 処理能力
たとえば、サーバー型は導入コストが多くかかる分、広い稼働スペースで大きな処理能力を持ちます。一方でデスクトップ型は導入コストを抑えられる分、1つのPC内で稼働するため、処理能力も控えめです。このように見比べると、サーバー型RPAとデスクトップ型RPAは用途が全く別だと言えるかもしれません。
膨大なデータを取り扱い、業務を効率化したいという場合はサーバー型が向いているでしょう。また、RPAに期待することが限られている場合は、デスクトップ型でコストパフォーマンス良く課題を解決すべきです。
まとめ
今回はサーバー型RPAとデスクトップ型RPAの違いを見比べました。それぞれのRPAには、それぞれのメリットがあり、それぞれに適した課題があります。自社の状況やどんなふうに使うことを想定しているかをイメージするといいでしょう。
まずは無理をせずに導入すること、そして、「長期的にどのくらいRPAを活用したいか」という両面で、検討し、焦らず最適な選択をすることが大切です。