丸三産業株式会社とRoboTANGOの出会い
―御社の事業内容とRPA導入の検討を開始した経緯を教えていただけますでしょうか。
弊社はコットンを使った衛生材料や衛生用品の製造を行っており、主な商品はコットンパフ、お茶パックなどの家庭用品や化粧用品、病院で使う医療用脱脂綿やコットンガーゼといった衛生用品などです。ほかにも、メーカーさん向けに晒綿やコットン不織布などコットン材料の製造販売も行っています。
SDG’Sが注目されるようになり、安い化学繊維からコットンという天然繊維への関心が高まり始め、元々、環境に配慮したビジネスに取り組んでいた弊社にとっても追い風となっていました。
しかし、コロナ禍に入り売上が落ちてしまったこともあり、売上に頼った利益向上を目指すよりも、管理費などの無駄を省くことが重要だと考えるようになったのです。また、弊社の方針として、DXの推進や業務効率化の実現を先頭に掲げていたこともあり、その一環としてRPAの導入を進めようという話になり、検討を開始しました。
ーRoboTANGOとの出会いと選ぶ決め手はどこにありましたか?
今回、弊社の代表取締役社長が年度方針に掲げているDXの推進を行うにあたって、管理部門の業務効率化・DXの推進を行う担当者として、経理グループと情報システム開発グループから1名ずつ責任者として私たちが選出されました。
担当に任命された時点では、RPAの存在を知らなかったのですが、取引先様に紹介いただいたのをきっかけに業務効率化のツールとしてRPAというものがあることを知り、2人で情報を収集したり、複数のベンダーさんに話を聞いたりしながら導入の検討を進めていきました。最終的に候補として3社に絞っていき、そのなかの一つがこのRoboTANGOでした。
そして、トライアルを行っていくなかで、「ロボット開発の簡単さ」「ロボットの動作の速さ」「コストパフォーマンスの良さ」「サポート体制」などを重点に評価を行い、その中でロボットの開発のしやすさや実行スピード、正確さ、コストのバランスが一番良かったのがRoboTANGOでした。また、担当してくださった営業さんやトライアルの際に対応してくださった担当者さんがとても親身に対応してくださり、親しみが持て、今後一緒に関わっていきたいなと思ったことも、導入の決めた理由の1つです。
また、担当者としては、コストをかけて導入したものの上手く扱えなかった、業務効率化できなかったでは意味がありません。そのため、しっかりと吟味しましたが、RoboTANGOであれば間違いなく効率化が実現できるし、長く使っていけるだろうと思い、導入に踏み切りました。
トライアル時に作成したロボットを上長にも見せましたが、評判がよかったため、反対もなくスムーズに導入に進めましたね。
経理部門の業務を中心にロボットを作成し、業務効率化を推進
―ロボットは100個近く作成されたということですが、現在は何個ぐらいになっていますか?
現在、稼働しているロボットは50個弱です。確かに最初は100個近くのロボットを作成しましたが、どんどん作成していくうちに少しずつ精査されていって、本当に必要なロボットが見極められるようになって、整理していくうちに50個程度まで減りました。
―ロボットの整理をする際のポイントはありますか?
ロボットを作成するうえで何をしたいかを重視しました。大前提として業務効率化があったので、手作業で時間がかかっている業務を洗い出し、そのなかでロボットを使えば効率化できるものをピックアップしていくといった形です。
―いいロボットを作成するポイントはありますか?
1人だけでロボットを作らないということです。普段は1人でロボットを作成していますが、どうしても良いアイデアが出なくて作成が滞ってしまう時があります。そこで、定期的に2人でアイデアを共有しながら作成すると、お互いに思いもつかないアイデアが出て良いロボット作成につながります。
自分1人で作成している時は、いくつもの工程を設定していたのが、半分の工程でできてしまったり、2人で意見を出していくうちに新しいアイデアが生まれたり、絶対に1人では思いつかないアイデアが出るのは刺激にもなっていいですね。
―現在、どのような業務にRPAを活用されているのですか?
RPA導入、ロボット作成の担当者が経理部門の社員ということもあって、現在は経理部門での業務効率化を中心にRPAで進めています。具体的には月次試算表・営業実績表などの作成や会計伝票の入力、ネット上から情報を抽出してExcelに記録するなどです。
2日かけていた業務が2時間で完了し、分析や精査にかける時間が増加
―RoboTANGOを導入してどのような成果が出ていますか?
まだ、すべての業務で成果を数値化できていませんが、具体的に成果が出ているのは月次試算表の作成です。これまで丸2日かかっていた作業が2時間でできるようになりました。
業務を集中して行えば、人の手でも1日以内に完了するのですが、業務中は電話が鳴ったり、お客さんが来たり、そのほかの業務の依頼を受けたり、仕事を同時進行することが普通だと思います。そんな複数の仕事をこなしながら途中で作業を止め、後から再開するのは結構効率が悪く時間がかかってしまいます。しかし、RPAで自動実行してもらえば、人間より早く作業してくれます。ロボットなら途中で電話を取ったりしないですからね(笑)。
作業時間が短縮されたことで空いた時間を使って、作成した資料の間違いの確認、内容の分析ができるようになったため、高い精度の月次試算表を迅速に経営者に報告できるようになりました。
これまでは、時間がかかるだけではなく、人の手で作成していたため、ミスが起こるケースも多く、提出してもまた戻ってきて修正作業を行うことも少なくありませんでした。しかし、今は2時間で作成できるので、十分に間違いがないか、精査する時間も取れるようになったのです。
また、今までは、資料作成というお金を生まない業務に多くの時間を割いていましたが、現在は間接的ではありますが、分析業務のようなお金を生む生産性の高い業務に時間を割けるようになったのは大きな成果です。
―業務時間短縮以外でのRoboTANGO導入効果はありますか?
毎日定期的に行う業務が自動化されて作業にかかる負担・抜けがなくなったのは大きな効果です。自分でやってもロボットがやっても時間的には大きな違いはない作業ですが、人間だとどうしても忘れてしまうこともあるんですね。また、忘れてはいないけどほかの業務で忙しくて後回しにしてしまったり。
ロボットは設定さえしてしまえば忘れることはありません。毎日決まった時間に自分が机に向かっていない時でも確実に作業を行ってくれます。これにより作業漏れや他部署からデータ更新の依頼がきて慌てて作業することがなくなったのは非常に大きな効果ですね。
RoboTANGO導入のメリットはサポートの迅速な対応
―RoboTANGOを導入して良かった点はありますか?
サポートの迅速な対応です。たとえば、専用の投稿サイトでレビューしたことがバージョンアップの段階で実現したり、追加のスクリプトが次々と出てきたりする点などは非常に助かっています。自分のレビューが反映されてバージョンアップで改善されたときは本当に感動しました。
導入時点でもかなり便利だと思っていましたが、追加スクリプトが次々と追加されていくので、Excelの操作が圧倒的に簡単になっているのには感動しています。
ロボット作成が経理部門から広げていけないのが現在の課題
―RPAを活用するなかで、現在どのような課題を感じられていますか?
ロボットの作成が自分の業務との兼任のため、なかなか他部署の業務用ロボット作成に割ける時間が少ない点です。本来であれば経理以外の部署でもロボット作成をしていきたいと考えていますが、現状では告知もできていません。
実際、いくつかはほかの部署でもロボットを作成しましたが、大々的に告知をしてしまうと、私たちの仕事が増え過ぎてしまい、対応ができなくなってしまうので。もちろん仕事が増えるのはありがたいことではありますが、自分たちの業務時間を削ってとなると現実的にはなかなか難しいですね。
後は、紙の電子化がまだ本格的には進んでいない点もRPAを広げていくためには避けて通れない課題です。経理では請求書を目で見て会計伝票に入力するなど、紙からデータに変換する作業が多くあります。これはRPAではできない部分なのでどうしても人力に頼らざるを得ません。現在、電子帳簿保存法やインボイス制度の導入もありますので電子化に取り組んでいますが、これが浸透しないとRPAの活躍できる場も限定されてしまうので、早急に取り組みたいです。
ロボット作成で効率化を図り新たなロボット作成を行うサイクルを作り、全社的に効率化を進めていきたい
―RoboTANGOの導入で今後、実現したい目標はありますか?
現在、経理業務のロボット化を進めていますが、今以上にロボット化を進め効率化していきたいと思っています。経理業務の効率化が進んで余裕を持てるようになれば社内にRPAの告知をしつつ、活用範囲を広げていくこともできるので。
特に総務部門の勤怠管理は早い段階でRPAを導入して担当者の負担軽減を実現したいと考えています。
ロボット作成を続けて効率化を進めていけば、次のロボット作成を行う時間が生まれるので、この良い循環サイクルで全社的にRPAを使った効率化を進めていきたいですね。