金剛株式会社とRoboTANGOの出会い
― 御社の事業内容を教えていただけますでしょうか?
熊本県に本社を持つ金剛株式会社は1947年に創業し、スチール製の家具を中心に製造・販売を行っています。丸ハンドル式の移動棚を主力製品としており、全国のオフィスや図書館、博物館などの文化施設へ納入している実績があります。
― 御社のRoboTANGOとの出会いを教えてください。
弊社ではもともと他社製品のRPAツールを導入し、利用していました。その中で情報システム部門が社内全体の事務業務のロボットを開発、経理部門の開発担当者が経理業務のロボットを開発し、シナリオを作成していました。
ただ導入していたその既存RPAツールはプログラミングの知識が必要となる場面があり操作が難しく、ロボット作成にも時間がかかる状況でした。そんな状況の中、既存RPAツールの契約更新のタイミングにRoboTANGO販売パートナーである九州デジタルソリューションズ株式会社にご紹介いただき、コスト感や設定の簡易性を含め、RPAツールのリプレイスを検討することになったのです。
― RoboTANGOを選択する決め手はどこにありましたか?
RPAツールをリプレイスする際には、海外製RPAツールも含めて広く検証していきましたが、特にロボットの作りやすさを重点的に置いて選択していきました。
また、既存RPAツールは端末依存していたため、RPA専用機を用意し、そこに開発者がリモートでつないで開発をするという動きをしなければいけません。
それだとロボット開発者を増やしていく際に、操作画面を見せながら分かりやすくRPAの使い方の説明ができないため、社員のRPAに対する理解を深めることができませんでした。
その結果、情報システム部門が社内で業務のヒアリングを行ってロボットを作成し、各部署ではロボットを実行するだけとなっていました。
その点RoboTANGOには、複数人にライセンスを分け与え、自身の環境で動作させるフローティングライセンスが標準搭載されています。各部署にライセンスを振り分け、ロボット開発者を育成することでさらにRPAの活用の幅が広がると考えました。
さらにRoboTANGOは操作が簡単であるため、既存RPAツールと比べて素早くシナリオ作成ができるほか、既存RPAツールで作成していたロボットをリプレイスしても十分な機能を発揮したことが導入の決め手となりました。
そこで2022年11月にRoboTANGOへのリプレイスを実現したのです。
RoboTANGOのフローティングライセンスでセキュリティが向上
― RoboTANGOではどのような業務を自動化していますか?
主に販売管理システムや勤怠システムなどと連携し、社内の月締処理や経理部門の定型業務となっている事務作業などを自動化しています。
また、総務部門の勤怠管理をRPAで自動化することで勤怠情報をデータ化。同時に、社内ポータルサイトへの掲載も自動化することにより、管理者の確認の手間を省いています。
― 現在、作成しているロボットは何個ぐらいになりますか?
既存のRPAツールで、情報システム部門で8個、経理部門で5個、ロボットを作成しています。RoboTANGOは既存RPAツールからのリプレイスであるために、まずは既存RPAツールで稼働していた13個のロボットを移行させていくことが直近の目標としています。
現状の稼働状況としては、毎日稼働しているロボットが3個程度で、週一ペースで稼働しているロボットが3個程度。残りは月一ペースで稼働させています。
― RoboTANGOを導入してどのような成果が出ているでしょうか?
RoboTANGOは1つのライセンスを複数のPC端末で使えるフローティングライセンスを採用しているため、利用する際の端末依存がなくなりました。この機能があることにより、部署ごとのPC端末で操作ができるようになったところは大きな成果だと考えています。
利用できるPC端末が固定されていると、RPA利用者は全員同じPC端末を使わざるを得なくなります。そうすると固定の部署で使用するシステムへのログインパスワードを他部署の社員が閲覧できる状況となり、セキュリティ面で不安が生じていました。
しかしRoboTANGOならフローティングライセンス機能を持っていることで、各部署のPC端末でRPAツールを開発・実行できるようになります。このようにセキュリティ面の課題が解消できたことで、社内でのロボット開発者を増やしていけるようになったことは成果につながっています。
また、既存RPAツールに比べて、ロボットのシナリオ作成の過程で発生する、画面キャプチャーや内容の変更の際、操作が簡単なことで素早く対応できるというところも導入成果と言えるのではないでしょうか。
今後はロボット開発者を増やしていく
― RPAを導入したことで社員から寄せられる声はありますか?
実際、それぞれの業務がRPAで動いていることを知らずに業務を自動化している社員も多くいます。例えば、「出力されたデータが表示されている」「メール通知が届いている」といった業務も「実はRPAで動いてます」ということを皆さんが把握しているわけではありません。
ただし、RPAツールの実情を知っている一部の社員からは、「RPAがなくなると困る」と言われることはよくあります。その意味では、社内でRPAが業務効率化に寄与していることは浸透していると思っています。
― 最後に、今後RoboTANGOで実現していきたいことをお聞かせください。
実際に削減されている時間とRPAツール導入にかけたコストを比較すると、まだまだ費用対効果が得られていない部分があるのが実情です。そこで今後はRoboTANGOで自動化していく業務をさらに広げていこうとしています。
現在、経理部門はRPAによる自動化が進んでいる業務ですが、総務・人事部門はまだまだです。そこでその部分を重点的にRPAによる自動化を進めていきたいですね。
自動化を目指す業務例として、データをまとめていく作業を自動化するロボットの開発を進めています。
現在、ホームページからの問い合わせなど、フォームに入力された各データを集計して、それを1つのデータにまとめていくといった作業は手動で行っています。そこでRoboTANGOを利用して、その作業の自動化実現を考えています。
今後は、地元企業の九州デジタルソリューションズ株式会社にも様々なシステムとの連携や
活用方法についても相談しながら、それぞれのロボ開発者が自立して、所属部署でRoboTANGOを使いこなし、自動化業務を増やしていきたいです。
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