株式会社ミモトと「RoboTANGO」との出会い
―御社の事業内容とRPAの導入を検討を開始した理由を教えていただけますでしょうか。

弊社は陸用や船舶の小形ディーゼルエンジンの部品製造を行っています。メインの取引先であるメーカーの農機や建機のほか、GHP空調といったエンジン部品の製造が主な事業内容です。
導入の検討を開始した理由は大きく3つあります。属人化の解消と業務のムダ削減です。ベテランの従業員が多く、特定の従業員しかできない業務が増えてしまい、属人化が生まれていました。
また、自分以外の人が何をしているのかがわからず、同じ作業を複数人でしてしまっていたこともRPA導入を検討した理由の一つです。RPAでデータ取得をしてしまえば、人が同じ作業をする必要がなくなり、業務のムダが大きく削減されます。
さらに、RPA導入を通して、社員の意識レベルを向上させたいといった想いもありました。ツールを導入することで、改めて自身の業務を振り返り、改善によって何かを変えたい、社内全体の雰囲気を変えたいと思える社員を増やしたいということもあって、RPA導入の検討を始めました。
導入の決め手は操作性の簡単さ、サポートの人の良さ、価格の安さ
―「RoboTANGO」の導入を決めたポイントは何ですか?
RoboTANGO以外に他社製品のRPAもトライアルをしましたが、他社と比べ操作性が簡単だったのが最大の決め手です。また、サポート担当の方が親身になって対応してくれたのも大きかったです。ツールとはいえ、最終的には“人”ですので、担当の方の対応が導入を決めた大きな理由になっています。
そして、もう一つの理由が価格面です。同じようにトライアルを行ったRPAと比べ、同じような機能でもRoboTANGOの方が半分ほどの値段で安かったことも決定理由の一つになっています。
「RoboTANGO」導入により1カ月最大1,800分の作業時間短縮。勤怠管理や手作業で行っていた業務の効率化に加え、別部署との交流が活発に実現
―どのような業務に「RoboTANGO」を利用されているのでしょうか?
一番多く動いているのは、弊社の基幹システムから生産計画用のPDFデータとCSVデータのダウンロードをする作業です。生産する部署ごとにデータが異なるので多いものになると朝昼晩で1日3回ロボを動かしています。
次に多く動いているのが電子日報のCSVデータのダウンロード業務です。現場で従業員がiPadを使って打ち込んだ日報がクラウドに保存されるのですが、これをCSVデータとしてダウンロードします。課によっては日報データの保存方法が異なる部分があるため、作成したロボを共有し、一部修正するような方法で各課に合わせてロボットを作成しています。
ほかには、部品の不良情報を基幹システムからダウンロードし、印刷したものを各課の上長に提出する毎朝の業務や勤怠管理などもRoboTANGOを使って自動化しています。
データをダウンロードする作業は毎日、多い時は日に2回、ロボを動かす場合もあるので、1日にして1時間半ぐらいの作業時間削減の効果があります。
―「RoboTANGO」導入によってどのような成果が出ていますか?
これまで毎日人の手で行ってきた単純作業が自動化されたことで、業務時間の短縮が実現しています。ただ、それ以上に大きいのは、これまで関わり合いの少なかった社員同士のつながりができた点です。
現在、RPAの推進を行っているのは、生産技術課と品質管理課の社員ですが、これまではそれほど接点のない社員であり、交流も多くありませんでした。しかし、RPA導入をきっかけにお互いの業務について語ったり、お互い歩み寄ったりという機会が生まれたのは大きな効果です。
今後はRoboTANGOの活用を広め、さらなる生産性の拡大を目指す
―今後、「RoboTANGO」をどのように活用していこうとお考えですか?
現在は生産管理システムや電子日報からのデータ取得など、業務の効率化を進めるための自動化が主になっています。現状は、データ取得で終わっていているため、今後は取得したデータを分析して生産性向上につながる業務についてもRoboTANGOを活用していきたいと思っています。
今、社内でRPAの活用について週1回、30分程度の意見交換会を実施していて、RPAの知識を深めるのと同時に次にどのようなロボットを作りたいかについて話し合いをしています。現在、9名でロボの作成をしていますが、今後はさらに活発に意見を出し合って、さらに普及させていきたいです。
―現在、RPAの導入を検討している企業にメッセージをお願いします。
活発な運用を実現するには推進する社員がRPAに興味や熱意を持つことだと思います。特に、導入初期はRPAに慣れるまで時間を要するため担当者の想いや熱量が足りないとなかなか社内でも広がっていきません。自社の課題解決を実現させたい、少しでも社内の雰囲気を変えたいといった強い想いを持って推進していくと、それが徐々に周囲に伝わり、やがては社員の意識レベルの向上につながっていくのではと思っています。
そもそもRPAが行う作業はどれも人ができること、やっていたことです。人がお金や工数をかければできるものですが、それをRPA導入によって活用方法を考える過程で「会社をもっとよくしよう」「利益を上げよう」と考えるきっかけを作ることができるようになるのが導入を進めていくうえで大きな魅力になると思います。つまり単純に業務が効率化されるだけではなく、どう使うか、どう広めていくかを考えることで“社員の意識レベルが大幅に向上する”ということは、ぜひ伝えたいですね。