RPAツールとは

まずは、RPAツールとはどのような目的で使われているのかを解説します。

RPAツールを使用する目的

ここでは、RPAツールを活用している企業が、どのような目的で導入したのかご紹介します。

コスト(人件費)の削減

RPAツールの導入目的として真っ先にあげられることが多い理由が、コスト、つまり人件費の削減です。RPAツールに業務を任せることで、これまでその業務を担当していた人員のコストを削減できます。完全に人件費をカットできなくても、RPAツールを導入することにより、例えばそれまで3人で行っていた業務を1人(+RPAツール)で行えるようになることも、コスト削減効果があるといえます。

代替労働力の確保

ここ最近、RPAツールの導入理由としてあげられるのが、「代替労働力の確保の手段として」というものです。近年は業種や企業の規模を問わず人手不足の企業が多く、社会的な問題となっています。それは、超高齢化と少子化が同時に起こった結果、生産年齢人口、つまり働くことができる人口の総数が減り続けていることが背景としてあるからです。

そのため、大企業であっても、好条件で人員を募集したとしても、人員が集まることが考えにくい時代であるといえます。 この問題に対するソリューションとして、RPAツールを検討する企業が増えています。人員を必要としている部署や業務に対して、新たに人員を雇い入れるのではなく、RPAツールを導入することで業務を円滑に進めることができます。

ミスの削減

RPAツールの特徴として、ミスが少ないということが挙げられます。特に数字の転記など、人が行うとエラーが発生しやすい業務においてRPAツールを導入すると、ミスの発生を抑制しながら業務を行えます。ミスの削減は、その確認にかかるコストを抑えることにつながりますので、結果としてコスト削減にもつながります。

業務時間の短縮

RPAツールは大量の業務を短時間で処理できるため、それまで人が行っていた時よりも業務時間を短縮できることが見込まれます。これにより、顧客満足度と従業員満足度の両方を高められます。

RPAツールに注目が集まる背景

ここで、近年RPAツールに注目が集まっている背景を確認しましょう。

働き方改革

2019年4月から施行されたいわゆる「働き方改革関連法案」は、今や日本企業の重要な経営課題です。この法案が施行された背景には、日本がここ数十年のあいだ直面し続けている生産年齢人口の減少や、働く人のニーズが多様化し、これまでの画一的な働き方では限界があることなどがあります。 それでは、働き方改革はこれらをどのように解決していくのでしょうか。

それについて政府や厚生労働省は「投資やイノベーションによる生産性向上」と述べています。この「イノベーション」および「生産性向上」のためのツールの一つがRPAなのです。

「働き方改革」の最終目的は、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指」すことです。 RPAツールを導入することによって業務を自動化できますので、業務の向上や業務時間の削減が期待できます。また、これにともなって残業時間の削減や社員の満足度が高まることも期待できるでしょう。これは働き方改革の目的と親和性が非常に高いものです。

<参考>厚生労働省「働き方改革特設サイト」

テレワークの拡大

2020年から流行が始まった新型コロナウイルスの影響で、私たちの働き方は大きく変わりました。多くの企業において、ホワイトカラーや事務職の多くは会社に出社して業務を行う業態から、自宅などで業務を行う「テレワーク」に移行しました。この傾向は2022年になった現在でも続いています。 テレワークと似た概念として「在宅勤務」や「リモートワーク」といった言葉もありますが、これらにはどんな違いがあるのでしょうか。

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、場所や時間にとらわれず働くことを指します。総務省の定義によると、テレワークは企業に雇用されている人が行う雇用型テレワーク、自営業者などが行う自営型テレワークに二分されます。そして、雇用型テレワークの種類として、家で勤務することを指す在宅勤務、施設に依存しないモバイルワーク、街中にあるサテライトオフィスなどを利用して働く施設利用型勤務があります。 また、テレワークと似た言葉にリモートワークがあります。これはオフィスから離れた遠隔地で働くことを指します。

アメリカでは国土の広さなどを背景とし、2000年代からこのような形態で働く人が見られるようになりました。日本では主にIT・ベンチャー企業を中心に、2010年代の後半ごろから受け入れられています。 テレワークとリモートワークは似たような概念ですが、使い分ける必要はあるのでしょうか。国や自治体では「テレワーク」を用い、世間一般では「テレワーク・リモートワーク」の両方が浸透している、という違いがあるという指摘があります。ただ、基本的には明確に使い分ける必要はないと考えてよいでしょう。

これらの働き方では、社員同士が常にコミュニケーションを取れるわけではないため、よりいっそう業務効率を高めながら働くことが求められます。また、社員が常に社内にいないため、「時間や場所が制限される業務をどう行うか」ということが課題となります。 例えば、個人情報や機密情報を社内から持ち出すことは難しいため、これらを含む業務は出社して行う必要があります。しかし、これでは効率的な働き方とはいえません。そこで、RPAツールを導入し、運用すれば、これらを社外に持ち出すことなく業務を行えます。

<参考>総務省「テレワークの意義・効果」

RPAツール導入のメリット

それでは、ここでRPAツールを導入するメリットを確認しておきましょう。

ミスの削減

RPAツールはロボットにシナリオと呼ばれる業務の一連の流れを覚えさせ、実行させることによって業務を行います。一度稼働すれば、ロボットはシナリオに沿って業務を自動的に行います。 数字を多く扱う業務や処理件数が多い業務を人間の手で行うと、どうしてもミスが発生する確率が高まります。これを防ぐためにダブルチェックを行うと、その分人件費というコストもが発生してしまいます。RPAツールならロボットが作業してくれるので、指示の段階でミスをしていない限りは、人間が行うのに比べて格段にミスが少なくなります。

作業工数の削減

作業工数とは、ある業務を終わらせるために必要な作業数のことを指し、作業時間と人数を掛け合わせることによって表せます。 RPAツールを導入して業務を行うと、人間が行うよりも短い時間で作業を行えますので、作業時間を削減できます。また、RPAツールは人間が行うより大量の業務件数を処理するため、業務にかかる人数も削減できます。RPAツールは作業時間と人数の両方を削減できるため、必然的に作業工数を抑えることが可能となります。

コア業務に専念

RPAツールを導入すると、既存の仕事の一部をツールに任せられるため、社員は時間の余裕を得られるようになります。この時間を創造的な業務やコア業務に当てることにより、各社員が能力を発揮できたり、新たなサービスやビジネスを創出できたりといったことが期待できます。 ここ数年、日本企業は生産性の低さが指摘されており、生産性を高めることが強く求められています。

事実、日本生産性本部の2021年にリリースされた「労働生産性の国際比較」によると、日本の1時間あたりの生産性は49.5ドルでOECD(経済協力開発機構)加盟38カ国中23位です。また、労働者1人当たり労働生産性は、78,655ドルでOECD加盟38カ国中28位という結果となっています。 働き手が少なく、生産性が低いままでは国際競争力が低下してしまいます。その結果として、世界各国で平均賃金が上昇する中、日本だけが賃金も上がらないという現象が起きているのです。そのため、政府および日本企業は生産性を向上させる施策も行わなければなりません。

RPAツールの導入は、生産性や創造性を高めることにもつながると期待されています。

<参考>
日本生産性本部「労働生産性の国際比較」
ダイヤモンド・オンライン「『日本で賃金が上がらない』本当の理由」

RPAツールの得意なこと

RPAツールは得意な業務が決まっており、なんでもRPAツールに任せればよいというものではありません。そこで、ここでは導入前にRPAツールの得意な業務を確認しておきましょう。

単純作業・定型業務

RPAツールが得意としている作業は、全ての工程や手順が決められており、それにそって 行えばよい単純作業や定型業務です。これらの作業は人の手で行うと膨大な時間がかかります。また、ミスが生じる可能性もあります。しかし、これらをRPAツールに任せることで、効率的に遂行できるのです。

ルーティン化された業務

ルーティンとは、手順や業務フローが決まっており、日常的に繰り返し行うことを指します。オフィスにおいて、ルーティン化された業務は意外と多いものです。

例えば、伝票の処理・給与計算など、事務職が行う業務の多くはルーティン化されています。営業職やクリエイティブ業務などの一見変化に富んだ業務に見える職種も、データ集計や資料作成、日報作成などはルーティン化している部分が多く、この点を自動化できると業務の効率化やコア業務に避ける時間が増えるなどのよい効果が見込めます。

RPAツールはロボットシナリオを実行することによって業務を行うため、一連のフローが決まっている業務と相性がよいツールです。ルーティン化された業務を人間が行うと、単純であるが故にミスを起こしやすい、時間がかかるなどのデメリットが発生するため、ツールを活用する方が合理的であるといえます。

RPAツール導入において必要なこと

RPAツールはいきなり導入して運用しても十分な効果が得られません。導入のためには、十分に準備をしておくことが重要です。それでは、具体的にどんなことを行えばよいのかをご紹介します。

RPA導入目的の明確化

RPAの導入を検討している会社・部署は多いと思いますが、導入目的は明確になっているでしょうか?「RPAがいいと聞いたから導入したい」「同業他社が導入したからうちでも」などは、明確な目的とはいえません。自社や導入部署の課題や業務内容を明確に把握した上で、なおかつ課題を解決する手段としてRPAが適していると判断した上で導入しましょう。

業務の見直し

RPAツールを導入するにあたって必須なのが、導入したい部署や社内の業務を全て洗い出し、業務の見直しを行うことです。その上でRPAツールに任せるのに適している業務をピックアップし、シナリオを作成するのです。

なぜこのプロセスを行うのかというと、理由は2つあります。1つは、RPAツールは向いている業務が決まっているので、それに合致する業務を洗い出すためです。2つ目は、部署内や社内の業務を全て洗い出すことにより、廃止する、外注する、人員の配置を行うなどRPAツールで自動化する以外のソリューションで解決できる業務があるかどうかを洗い出せるからです。

業務の効率化を行うにあたって、RPAツールで自動化することはソリューションの1つにすぎません。業務の全体像を把握し、それぞれに適切な解決法を見出すことが、業務の見直しや効率化、生産性の向上につながるのです。

シナリオ作成

RPAはロボットにシナリオを覚えさせ、稼働させることで業務を自動化します。このシナリオ作成には2つのポイントがあります。

1つは、シナリオを作成するためには業務の手順を明確にさせる必要がある、ということです。人の手で行う際には、その人の経験上こうした方がいいという手順や、こういう時はこうするなどの判断が加わることがあります。こういった部分をあいまいにしたままシナリオを作成すると、ロボット稼働がうまくいかないことがあります。

判断を必要とする場合は、その数に応じて別のロボットを作成するか、別の手段で効率化するなどの対応を行いましょう。

2つ目は、シナリオ作成にはプログラミングの知識を必要とすることです。ひと昔前は、ロボット作成=プログラミング、という風潮が強く、IT知識や人員に乏しい中小企業のRPAの導入が進まない理由の一つでした。しかし最近は、PCを操作する様子を録画し、その様子をもとにロボットを自動的に作成するなどプログラミング不要で稼働できるRPAツールも提供されています。

それでは、このようなツールを使えばプログラミングの知識は全く必要ないのでしょうか。結論からいうと、どんなRPAツールでも導入するのであればプログラミングの知識は「あった方がよい」です。

その理由は、ロボットを稼働させてエラーが発生した際、ロボットのメンテナンスの際には、修正などの対応を行う際にやはりプログラミングの知識を必要とするからです。まったく知見がない際には、サポートを提供している企業に外注することもできますが、その分費用がかかります。また修正を依頼している間は、RPAツールに任せた業務が一切停止してしまうというデメリットもあります。そのため、プログラミングの知識があると、このような状況にもある程度は対応できますので、不便を感じることが少なくて済むのです。

中小企業などでRPAツールを導入したいけどプログラミングの知識に不安がある企業は、以下の3点に気をつけて導入を行いましょう。

プログラミング不要のツールを選ぶこと

先ほど、「プログラミング不要のツールを選んだとしても、プログラミングの知識はあった方がよい」と述べました。それでもプログラミング不要のツールを選ぶべき理由は、シナリオ作成のための工数を削減することが目的です。

すでにRPAツールを導入済みの企業を対象にしたアンケートによると、ロボットの作成に手間取ったという声が多く聞かれます。この段階で挫折してしまう会社もあるという話もすくなくありません。そのため、このプロセスを手間取ることなく、スムーズに進めるためにもプログラミング不要のRPAツールを推奨します。

導入の段階からサポートを提供してくれる会社を選ぶこと

RPAツールの導入は一大プロジェクトであり、社内のリソースを大幅に必要とします。そのため、中小企業を中心に不安を感じる声が少なくありません。

そのため、この点をサポートする体制がとられているRPAツールを選ぶことをお勧めします。サポートはRPAツールを提供している会社がサービスとして提供するものと、RPAツールの導入支援を専門的に行っている企業のサポートを得るものの2つのパターンが存在します。ぜひ検討して、自社の課題に寄り添ってくれる企業を選んでください。

導入の段階から、RPAツールの周辺知識の学習を行うこと

RPAツールはただ導入すればよいというわけではありません。業務の洗い出しやロボットの作成など、能動的に行動し、知識を吸収する必要があります。

そのため、RPAツールの導入が決まったら、社内の担当者を中心としてRPAツールとは何か、またプログラミングを始めとした勉強の機会を設けましょう。勉強方法は社内のIT関連部署に協力を依頼する、書籍やe-ラーニングなどのツールを利用する、RPAツールの資格「RPA技術者検定」を受験するなどさまざまな方法があります。

社内にRPAツールの知識を持つ社員が複数いることは、RPAツールのスムーズな運用につながります。知識があることで「ロボットを使ってみよう」というモチベーションにつながり、RPAツールを利用した業務の効率化が実現できるでしょう。

RPAツールの導入事例

ここからは、実際にRPAツールを導入した会社の導入事例を見て、RPAツールを導入・運用する際のイメージを具体的に思い浮かべましょう。今回は中小企業を中心に導入実績の多いスターティアレイズ株式会社の「RoboTANGO」を導入した業種の違う3社の事例を見ていきます。

建設業 東邦レオ株式会社

東邦レオ株式会社(以下、東邦レオ様)は、土壌改良材のメーカーとしてスタートし、現在は緑化資材、造園資材、建築資材の分野で事業を展開している企業です。

実は、以前より無料のRPAツールを使っていましたが、サポート体制がないことに不満を感じていたそうです。そのため、RoboTANGOに関してはなんでも相談できること、一緒に運用体制やロボットを作りあげられることに魅力を感じたそうです。やはりRPAツールの初心者にとって、サポート体制が充実していることは重要なポイントです。

それでは現在、東邦レオ様はRoboTANGOをどのように利用しているのかというと、会社の基幹システム内のデータを、顧客管理ツールのデータベースにアップロードするという業務に利用しているそうです。毎日10分程度の利用ですが、基幹システムや顧客管理ツールという機密性の高い重要な情報を、自動化して短時間で完了できる点が嬉しいとのことです。

東邦レオ様は、今後は基幹システム内と顧客管理ツールを統一し、基幹システムの管理をRPAで行っていきたいとのこと。今後もさらにRoboTANGOを活用し、さらなる業務の効率化を実行していくそうです。

印刷用紙卸業 東芳紙業株式会社

新聞などの印刷用用紙の卸業を営む東芳紙業株式会社(以下、東芳紙業様)。日々の定型業務や毎月月初にピークを迎えるルーティン業務を省力化したいという希望を抱えていたそうです。

現在の担当者がネット検索などで情報を集め、RoboTANGOの存在を知ることとなりました。この際、RoboTANGOについて、ロボット作成が簡単で初心者でも取り扱える点、1ライセンスにつき最大5人使えるので業務が拡大しても対応できる点の2つに魅力を感じたそうです。

RoboTANGOを導入し、請求書の発行や支払いなどの経理業務、配達物のリスト作成などの営業サポート業務などに利用しているそうです。配達物のリスト作成は1人で短時間でできる業務ですが、RoboTANGOに任せたことにより誰にでもできる業務になったことが嬉しい、と話してくださいました。業務を平準化させることは、効率化や生産性の向上につながる重要なポイントです。これをRPAツールの導入によって実現できるよい事例といえます。

東芳紙業様に「RoboTANGOを導入してよかったことは?」と伺うと、売上実績の集計といった時間のかかる業務が土日の間に完了するようになったこと、以前は会計ソフトなどに手打ちで入力していた業務を短時間で行えるようになったことを挙げていただきました。さらに、RoboTANGOを導入したことで「この業務の流れにはこういうやり方があるのでは?」と、さまざまな気づきを得られたことは大きな収穫だったという、興味深いコメントもいただきました。

今後もRoboTANGOを使い続け、ITが苦手な社員にも使ってもらいたいというお話をしてくださいました。RPAツールを使いこなす中小企業のよい事例といえるでしょう。

印刷業界 白山印刷株式会社

一般的な印刷物のみならず、クリアファイルやステッカーなどの特殊印刷も取り扱っている白山印刷株式会社(以下、白山印刷様)。RoboTANGOの導入を決意した背景には、営業部の残業を削減するためという明確な目的があったそうです。

以前より顧問の中小企業診断士からRPAの存在を聞いていたので、残業削減を考えた時にはRPAの導入一択で進めていったとのこと。RoboTANGOは初期費用がリーズナブルな点、またツールの販売からサポートの提供まで一貫して行っている点に魅力を感じたそうです。

何ができるのか分からない、当初計画していた印刷管理ツールの自動化が上手くいかないなど、トラブルもありましたが現在は15ものロボットを稼働するようになったとのこと。主に売上管理や発送伝票・納品書の作成といった業務にロボットを運用しているそうです。 これらの業務はルーティン業務であり、数字の転記や記入が多いという点から、RPAツールで自動化するのに適している業務です。

RoboTANGOを導入した結果、これまで2〜3時間かかっていた業務が15分ほどに短縮され、コア業務に集中できるようになったという声を届けてくださった白山印刷様。現在自動化できそうな業務のヒアリングを行っているとのことで、今後もさらなる業務の自動化に取り組んでいかれるようです。

まとめ

今回はRPAツールを導入する際に抑えたい基礎知識や、導入するにあたってプロセスや注意点などを解説しました。中小企業は人員やITの知識に乏しいケースが多く、RPAツールの導入に躊躇している企業も多いと思われますが、これを読んでRPAツールの導入に理解が深まれば幸いです。

RPAツールを導入し、業務を自動化することは、近年話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にもつながります。DXとは「ICT(情報通信技術)の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことを指します。アメリカでは2000年代前半に提唱されたものですが、日本では経済産業省が2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を公開したことにより、この概念が知られるようになりました。

このガイドラインでは、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのも のや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

今なぜDXを推進する必要があるかというと、「2025年の崖」と呼ばれるデジタル化による効率化が達成できなかった場合の経済損失を回避し、時代の変化によって訪れるビジネスモデルの変化に対応する必要があるためです。これからどんな社会になり、どんなビジネスモデルがスタンダードになるのかは、不確定な部分が大きいですが、それに対応するためには社内の情報やレガシーを整理し、スムーズに取り出せるようにしておく必要があります。そのためにはやはり、新しいツールの導入が不可欠というわけです。

ぜひ、来るべき新しい時代のためにもRPAツールを導入し、備えていただければ幸いです。

<参考>「デジタルガバナンス・コード2.0(旧 DX推進ガイドライン)