RPA作成代行とは

RPA作成代行とは、対象業務の選定から、ロボットの設計・開発・テスト・納品までをRPAに精通した外部の専門家に任せられるサービスのこと。

RPA作成代行とは、RPAの専門知識とノウハウを持つ外部のプロフェッショナルが企業に対し、RPAロボットの設計・開発・導入・運用まで包括的に支援するサービスを指します。
具体的には、「業務プロセスの分析とRPA化対象業務の選定」や「最適なRPAツールの選定支援」、「RPAシナリオの設計と開発」、「導入・テスト・運用支援」といった一連のプロセスをサービスとして提供します。

自社だけでRPAを導入・運用するには、ツールの操作方法に関する知識や開発スキル、業務フロー設計のノウハウなどが必要となりますが、こうした専門リソースの確保が難しい企業も少なくありません。そうした課題を抱えている企業に対して、RPA作成代行は、各工程を「ワンストップ」で支援することで、スムーズかつ効果的な導入を実現する手段として注目されています。

特に「社内に人手やリソースが足りない」「コア業務に専念したいからシナリオ作成だけは外部に委託したい」「とにかく早く自動化を始めたい」といった企業にとっては、失敗のリスクを抑えながら成果を出せる有効な手段となっています。

RPA作成代行のメリット

RPA作成代行を利用することで、企業は自社で専門スキルを習得することなく、RPAによる業務自動化をスムーズに実現できます。特に初めてRPAを導入する企業にとっては、RPAのシナリオ開発における工数の負担を大きく軽減できます。

また、業務内容を共有するだけで、RPAのプロが設計から開発、テスト、導入までを一括して対応してくれるため、短期間かつ高品質なロボットの構築が可能です。社内でのエラー対応や調整に時間を取られることなく、社員は本来の業務に集中できるようになります。

さらに、導入初期にプロが作成したロボットをベースとして、将来的に社内で内製化を進めることもできるため、段階的なスキル蓄積やナレッジの獲得にもつなげやすくなります。
このように、専門性・スピード・将来の内製化支援といった多角的なメリットを享受できる点が、RPA作成代行の大きな特長です。

RPA作成代行と内製化、BPSの違い

RPA作成代行と内製化、BPSの違い

RPA導入にはRPAツールを導入し、自社で作成から運用までする内製化と、RPAのシナリオ開発を委託するRPA作成代行、業務プロセスから運用まですべて委託するBPS(ビジネス・プロセス・サービス)の3種類があります。以下に、RPA作成代行・内製化・BPSの違いをわかりやすく比較した表を作成しました。

RPA作成代行 内製化
(社内開発)
BPS(ビジネスプロセスサービス)
開発主体 外部のRPA専門会社 自社の担当者・開発チーム 外部の業務代行会社
自社の関与度
(要件定義・レビュー・運用など)

(全工程を社内で実施)

(業務そのものを外注)
スピード
(短期間で導入可能)

(社内体制・学習に時間が必要)

(アウトソースで即稼働も可能)
導入ハードル 低〜中
(初期対応は必要)

(教育と体制構築が前提)

(要件定義すれば実行可能)
費用感 中〜高 低〜中 中~高
ノウハウの蓄積
(レビュー・引き継ぎが前提)

(社内に蓄積される)

(社内にナレッジは残らない)
保守・運用 オプションで
対応可能
自社で対応 外部に依存
向いているケース 早期導入したい、
人手が足りない企業
将来の内製化や拡張を見据える企業 業務の完全委託を検討している企業

1.RPA作成代行

RPA作成代行は、RPAツールを使った自動化ロボット(シナリオ)の開発を専門会社に依頼する方法です。業務の説明やヒアリングを行うだけで、プロが要件をもとにシナリオを設計・開発してくれるため、社内に専門知識がなくても高品質なRPAを短期間で導入できます。運用後の保守対応も含めたプランも多く、スピーディに自動化を進めたい企業に適しています。

2.内製化(社内開発)

RPAの内製化とは、RPAの導入から運用・保守までを自社内で完結させることを指します。RPAツールの操作方法や開発手順を社内の従業員自らが習得し、RPAロボットを自社で構築・運用する方法です。担当者が自ら手を動かしてシナリオを設計するため、自由度が高く、長期的な視点ではコストを抑えることも可能です。ただし、教育・習得のための時間や人的リソース、運用保守体制の確保が必要なため、導入初期にはハードルが高い場合もあります。

3.BPS(ビジネスプロセスサービス)

BPSは、業務そのものをまるごと外部に委託する方法です。RPA開発だけでなく、データ入力、帳票処理、受発注処理といった業務プロセスそのものをBPOとして丸ごと外部の専門会社が代行する方式です。
簡単にいうと、企業はRPA開発も運用も社内で行わず、「業務の処理」と「RPAによる自動化」をセットで外部に任せるスタイルです。

自社で業務を行う必要がなくなるため、人的リソースを大幅に削減できる一方、業務ノウハウが社内に蓄積されにくいというデメリットもあります。
「人手が足りない」「社内での対応が難しい」「とにかく業務処理を丸ごと効率化したい」といった企業には、RPAを活用したBPSは有効な選択肢となるでしょう。

RPA作成代行会社の探し方・依頼方法

RPA作成代行会社の探し方・依頼方法

RPAロボットの作成代行を検討する場合、主にRPAツールのベンダーへ直接依頼する方法、比較サイトを活用して探す方法、クラウドソーシングサービスやビジネスマッチングサイトから探して依頼する方法の3つが挙げられます。以下に、それぞれ詳しく解説いたします。

RPAツールベンダーや開発会社へ直接依頼

RPAツールを提供している会社(ベンダー企業)や、RPAの開発・導入支援を専門とする開発会社の中には、RPA作成代行サービスを提供している企業もあります。RPAツールへの理解が深いため、製品仕様に最適化されたロボットを開発してもらえる点がメリットです。ツールの導入・初期設定から、ロボット開発、導入後の運用支援まで一貫して任せられるため、RPAを初めて導入する企業でも安心して依頼できます。

すでにRPAツールを導入済みの企業であれば、現在使用しているツールに対応できる作成代行会社に依頼するのがスムーズです。導入したベンダー企業に問い合わせても良いでしょう。ツールごとに仕様や機能が異なるため、開発ノウハウを持っている会社を選ぶことでトラブルを避けやすくなります。

反対に、「これからRPAを導入したい」「現在のRPAツールではカバーできない業務があるので乗り換えたい」といった企業は、RPAツールベンダーに直接問い合わせ・相談して支援を受けるのがおすすめです。以下に、RPA作成代行サービスを提供している企業をいくつかご紹介します。

サービス名 企業名
RPA開発代行サービス コクー株式会社
(ベンダー企業)
まるなげRPA スターティアレイズ株式会社
(ベンダー企業)
ハカドリRPA タクトシステム株式会社
RPA開発代行 アコモlab株式会社
RPAシナリオ作成運用代行サービス 株式会社エグザクトソリューションズ
Robowork -ロボワーク- 株式会社フォレスト
シナリオ作成代行サービス 株式会社SI&C
RPAサポーター 株式会社インデックス

一括見積ができる比較サイトを活用する

一括見積ができる比較サイトを活用する方法も、RPA作成代行会社を効率よく探すうえで有効です。PRONIアイミツやアイミツといった比較サイトを利用すれば、「対応できるRPAツール」「実績」「価格帯」などの情報を横並びで比較できるため、自社に合った候補をスムーズに見つけやすくなります。特に初めて外部に依頼する企業にとっては、各社の得意分野やサポート範囲の違いが見えづらいため、複数社から一括で提案を受けられる点は大きなメリットです。

ただし、こうしたサイトに掲載されているのは、あくまで登録されている一部の企業に限られるため、すべての選択肢を網羅しているわけではありません。また、価格や納期だけで判断するのではなく、「自社が使用中のRPAツールに対応しているか」「業務の可視化や改善提案まで対応してくれるか」といった提案内容の質にも注目しましょう。最終的には、見積や提案を受けた企業と直接やり取りをし、細かな対応内容まで確認することが重要です。

クラウドソーシングやビジネスマッチングサイトを利用する

最近では、クラウドワークスLancersなどのクラウドソーシングサービスを通じて、個人のフリーランスや小規模な事業者にRPAシナリオ作成を依頼するケースも増えています。
費用を比較的抑えられるほか、スポット的な開発や小規模な業務に絞って依頼できる点が魅力です。
ただし、開発者のスキルや実績にばらつきがあるため、品質の確保や納品後のサポート、保守対応の有無などを事前にしっかり確認することが大切です。長期運用や継続的な改善を想定している場合は注意が必要です。

また、発注ナビビザスクといったビジネスマッチングサービスを活用する方法もあります。ビジネスマッチングサービスでは、RPA開発の実績がある企業やエンジニアとマッチングできるため、クラウドソーシングよりも一定の品質が期待しやすく、法人との契約が前提のため契約管理も比較的スムーズです。
特に「サポート体制が整った会社に依頼したい」「保守も含めて継続的にお願いしたい」といった企業には、マッチングプラットフォームの活用もおすすめです。

本格的に導入を検討している場合は、対応範囲やサポート内容、契約条件についても事前に確認しておくことが重要です。

RPA作成代行を検討する前の注意点

RPAは、定型的な繰り返し作業を効率化するのに優れたツールですが、導入にはRPAツールのライセンス契約が必要になります。そのため、「1つだけの業務を自動化したい」といった小規模・単発のケースでは、かえってコストや手間がかさみ、見合わない場合もあります。たとえば、Excel作業やファイル整理といった比較的シンプルな業務であれば、VBAやPythonスクリプト、Power Automateなど、RPA以外の手段でより手軽に自動化できる場合もあります。
自社の業務内容や自動化したい範囲に応じて「本当にRPAの作成代行が最適か」を見極めたうえで、必要に応じて他の選択肢も検討することが大切です。

また、RPAの作成代行は、あくまで「RPAロボットの開発まで」をサポートするサービスであり、運用自体は企業側が行うのが前提です。そのため、RPAツールを導入する必要があり、以下のような注意点をあらかじめ把握しておくことが重要です。

RPAツールの維持管理コストがかかる

RPAの作成代行サービスでは、RPAロボット(シナリオ)の開発自体は外部に依頼できますが、実際の運用は企業側で行うことになります。そのため、RPAツールのライセンス費用が別途発生し、導入後も継続的な費用が必要です。
また、RPAは一度ロボットを作って終わりではなく、業務内容の変更やシステムのアップデートなどに応じて保守や調整も発生するため、維持コストを事前に把握しておくことが重要です。

業務そのものの見直しが必要になることもある

非効率な業務をそのままRPAで自動化しても、期待した成果が得られず、かえって手戻りや余計な工数が発生するケースもあります。RPAは“今の業務をそのままロボットに置き換える”というより、“自動化しやすい形に整える”ことがポイントです。そのため、業務内容を丁寧にヒアリングし、「こうすれば運用がスムーズになりますよ」といった業務改善や標準化の提案もしてくれる会社を選ぶと安心です。

将来的な運用も見据えたツール選定が重要

RPA作成代行を利用する場合でも、後々内製化を視野に入れるのであれば、自社のITリテラシーや運用体制に適したツールを選ぶことが重要です。たとえば、IT部門が主導する場合はカスタマイズ性に優れたRPAツール、DX担当者や実務担当者などの非IT部門が運用する場合はノーコードで初心者でも簡単に扱えるRPAツールを選ぶことで、スムーズな運用につなげられます。

完全な自動化が難しい業務もある

人の判断や確認が必要な業務、イレギュラー対応が多い処理、紙書類を扱う業務などは、RPAだけでの完全自動化が難しいケースがあります。たとえば、紙帳票を読み取ってからシステムに入力する作業は、AI-OCRとRPAを組み合わせることでフル自動化も可能ですが、その分コストや導入の難易度が上がるため、実現したい範囲と自社の予算・体制のバランスを踏まえて検討することが大切です。

また、RPAはルールが明確な定型業務に強い反面、人の判断や内容確認が求められる業務では、自動化の適用範囲に限界があります。そのため、すべてを自動化しようとするのではなく、「人とツールの役割分担」を見極めながら、どこまで自動化すれば効果があるか、現実的な削減イメージを持っておくことが重要です。

こうした点を踏まえたうえで、「本当にRPA作成代行が自社にとって最適な選択肢か?」を事前に整理しておくことが、無理のない導入とその後の円滑な運用につながります。

RPA作成代行の導入の流れ

RPA作成代行サービスの導入の流れ

RPA作成代行は、業務内容の整理からはじまり、RPAツールの選定、RPAロボットの開発、テストといった流れで進みます。

1.ヒアリング・業務の洗い出し・コンサルティング

「どの業務をRPA化すると効果的か」を、専門家の目線で診断・提案します。
そのため、まだ自動化したい業務が決まっていない場合でも、ヒアリングを通じて業務の可視化・整理を行い、自動化の対象を明確化しながら、RPA導入の方向性を一緒に検討できます。

すでに「この業務を自動化したい」と考えている企業に対しても、業務内容や現場の運用状況を丁寧にヒアリングしながら、その業務に最適なRPA化の方法や構成を提案します。

また、業務プロセスの一部を見直すことで、より安定して自動化できるように業務の標準化を提案するなど、単なる作業の置き換えにとどまらない“自動化しやすい業務づくり”までサポートしてくれる作成代行会社もあります。サポート内容の範囲はサービス提供会社によって異なるため、導入前にどこまで対応してくれるかを確認しておくと安心です。

2.RPAツールの選定支援

RPAツールにはさまざまな種類があり、機能・価格・操作のしやすさ・サポート体制など、それぞれ特徴があります。
RPA作成代行では、会社の規模・予算・自動化したい業務の内容や将来的な運用体制などをヒアリングしたうえで、最適なツールの選定を行います。
「はじめは小さく始めたい」「いずれ内製化したい」といったご要望に応じて、使いやすさや導入負荷も含めてアドバイスが受けられるのが安心です。

3.RPAロボットの開発(シナリオ作成)

作成代行の会社が、選定した業務をもとにRPAがどのような手順で業務を自動化するかを示す「シナリオ(指示書)」を作成します。このシナリオに基づいて、実際にRPAロボットを開発し、業務に合わせた自動化処理を組み立てていきます。これがRPA作成代行のメイン業務です。

開発期間は業務の内容や複雑さによって異なりますが、初回のRPAロボットであれば、比較的簡単な業務で1週間程度、少し複雑になると2~3週間程度で完成することが多く、「できるだけ早く自動化を進めたい」という企業にも対応しやすいスケジュール感です。

4.テスト・エラー対応

開発したRPAロボットを、お客様の会社のシステム環境(PC)に導入し、実際に正しく動作するかをテストします。RPAロボットの実行中にエラーの発生や不具合などがあれば、適宜修正を行い調整します。

開発が完了したRPAロボットは、お客様の社内PCやシステム環境に導入され、実際の業務と同じ条件で動作確認を行います。RPAロボットが正しく動作するかどうかは、社内の環境やファイル形式、実際のデータの整合性によっても結果が異なるため、単なる動作確認にとどまらず、エラー時の挙動確認や、条件分岐の動作精度まで慎重に検証する必要があります。代行会社は、テスト中に発生した不具合やエラーについて都度調整・修正を行い、最終的に安定して業務を自動化できる状態に仕上げていきます。

また、RPAロボットの運用担当者が社内にいる場合には、ボタンの押し方や注意点、操作手順などのレクチャーを実施するケースもあります。テストフェーズは、ロボット完成後の“引き渡し前の最終調整”といえる重要な工程ですので、納品基準やテスト方法について事前に確認しておくと安心です。

5.導入、運用・保守サポート

RPAロボットは導入して終わりではありません。業務内容の変更やシステムアップデートなどで、ロボットが正常に動かなくなることもあります。RPA作成代行会社は、導入後のトラブル対応や定期的なメンテナンス、改善提案なども行い、RPAが安定して稼働し続けるようにサポートできます。保守サポートは契約内容によって異なるため、導入後の修正対応などの費用も予め確認しておきましょう。

まとめ

RPA作成代行は、「とにかく早く業務を自動化したい」「社内に開発スキルがない」「本業に集中しながらRPAを導入したい」といった企業におすすめです。
ヒアリングからツール選定、シナリオ開発、テスト、運用サポートまでを一括で依頼できるため、リソースに不安がある企業でも安心して導入を進められます。

ただし、作成代行といってもツールの導入や運用は企業側が行う必要があるため、事前に費用や対応範囲、運用体制について十分に確認しておくことが重要です。また、単発の業務自動化であれば、RPA以外の手段(VBA・Pythonなど)も選択肢になります。

RPA作成代行の費用相場や作成代行がおすすめな企業についてご興味がある方はこちらの記事もご覧ください。

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また、「RPAを使いたいけれど内製化すべきか外部に任せるべきか分からない」「BPSの方が向いているのでは?」といったお悩みに対しても、業務内容や社内体制を踏まえた上で最適な手段をご提案することが可能です。単なる代行にとどまらず、企業様にとって最も成果が出る方法を一緒に検討し、ご支援いたします。

RPA作成代行「まるなげRPA」サービス概要資料

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