RPAの基礎知識

2024.06.07

RPAの3種類を比較!サーバー型・デスクトップ型・クラウド型の違いとは

  • RPAの種類
  • サーバー型RPA
  • デスクトップ型RPA
  • クラウド型RPA
RoboTANGO編集部
RPAの3種類を比較!サーバー型・デスクトップ型・クラウド型の違いとは

RPAツールとはRPAロボットによって業務を自動化するソフトウェアです。
近年、人材不足や働き方改革、DX推進によりRPAを導入する企業が増えています。

RPAツールは大きく分けて「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3種類があり、それぞれの特徴や費用・運用方法も異なるため、何が自社に合うツールを見極め選ぶ必要があります。

本記事では、RPAツールの導入を検討する企業様向けに、RPAの基礎知識からRPAツールの各種類の違いや特徴、RPAを選ぶ際のポイントなどわかりやすく解説いたします。

そもそもRPAとは?

RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略でロボットによる業務の自動化を行う仕組み・ソフトウェアのこと

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、「ロボットによる業務の自動化」を意味しています。RPAは人間が繰り返し行うルーティン業務を自動化します。

今まで人間が手作業でおこなっていた作業をRPAロボットに記憶し処理させることで、業務工数や手間の削減につながり業務効率化を実現できます。また、RPAは迅速かつ正確に処理するため、残業時間削減や人的ミスの削減にも大きく貢献します。
これにより、従業員は単純作業から解放され、より創造的で価値の高い業務に注力できるようになるため、企業全体の生産性の向上が期待できます。

RPAは、金融・製造・卸売・医療・小売・物流・ITなど、業種を問わず幅広い分野で導入されており、特に、ルールや手順に沿った作業プロセスを持つ業務において、その効果を最大限に発揮します。

RPAはこんな業務におすすめ

RPAは主にで繰り返しの多い業務やルーティン作業において高い効果を発揮します。
例えば

  • データ入力やデータ処理
  • データ集計や加工
  • 複数にまたがったシステム間のデータ同期
  • インターネットからの情報収集
  • 添付ファイルの保存
  • 受発注処理
  • 在庫管理
  • メールでの通知・送付

など幅広い業務にRPAが活用できます。
業種や職種によって異なる業務でもRPAは様々な場面で活躍しています。

RPAのメリット・効果

業務の効率化・生産性向上

RPAは繰り返しのルーティン業務を高速かつ正確に実行することができます。これにより、今まで人が手作業で行っていた作業時間や手間を短縮するだけでなく、業務プロセスの合理化が図られ、全体的な業務の効率が向上します。

人的ミスを削減でき正確性を確保できる

RPAは高い精度で業務を処理できるため、人的ミスを最小限に抑えデータの正確性を担保することが可能になります。入力漏れや入力ミスなどからくる問題を防ぎ、品質向上を実現します。

創出できた時間でより付加価値の高い業務に取り組める

RPAによって節約された時間やリソースを、従業員はクリエイティブな業務や戦略的な業務など、より高度な業務に専念できます。戦略的な意思決定や分析、開発、顧客対応によるお客様との関係構築など、付加価値の高い重要な業務に時間を割くことができます。

人材不足の解消

RPAの導入により定型業務が自動化されることで、今までの作業時間が短縮され、従業員はより高度な業務に集中できるため、人材不足の緩和が期待されます。
例えば経理部門の場合、改正電子帳簿保存法やインボイス制度の対応で新しく増える経理業務において、RPAを活用したことにより新しく人材を採用することなく現状の人員で回せるようになったとの声も多数あります。

RPAの種類は3つ

RPAにはサーバー型、デスクトップ型、クラウド型の3種類があります

RPAは基本的に「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類に分けられます。
簡単に説明すると、サーバー型は、自社サーバーにRPAをインストールするタイプ、デスクトップ型は個人または特定のパソコンにRPAをインストールするタイプ、クラウド型RPAはクラウドサービスとしてRPAが提供されているタイプで、それぞれ特徴や対象業務、利用規模感が異なります。

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サーバー型 デスクトップ型 クラウド型RPA
特徴 ・自社のサーバーにRPAが設置され、管理・実行指示はサーバー側で行う。
・各クライアントPCと接続することで業務を管理・自動化し、大量のデータを処理できる。
・IT管理者が一元管理。
・個人または特定のPC上で作業を自動化。
・端末ごとに違う処理が可能。
・PC1台に対しロボット1体
・クラウドサーバー上でのRPAが稼働。
・Webブラウザ上の作業を自動化。
・3種類の中で比較的安価。
作業範囲 ・Webブラウザ
・社内サーバー
・ローカル環境
での作業すべて可能
・Webブラウザ
・社内サーバー
・ローカル環境
での作業すべて可能
Webブラウザなどのクラウド上の作業のみ
運用規模と利用者 大規模
・会社全体
小規模~中規模
・部門
・担当者レベル
小規模
・部門
・担当者レベル
情報システム部門/開発部門などのIT管理者 管理者 ・部門
・担当者レベル
・部門
・担当者レベル
導入ハードル 低~中
作業難易度 低~中
費用・コスト 高額 低額 低額~高額

たとえば全社的な大規模展開やRPAの集中管理を検討している場合は「サーバー型」、まずは低コストや小規模でRPAを活用したいという場合は「デスクトップ型」、クラウド上のみでの業務を自動化したい場合は「クラウド型」がおすすめですが、検討する際は対象業務、規模感、予算など様々な視点から判断し、選択してください。

それでは各RPAの特徴を解説していきます。

サーバー型RPAの特徴

サーバー型RPAとは

サーバー型RPAは自社サーバー内にRPAをインストールし、運用します。サーバー内にRPAソフトを置くことで、サーバーでロボットを管理し、且つ社内の複数の端末でロボットを稼働させることができます。対応業務の範囲が広いため組織内で横断的に利用するのに最適で、価格が高い点が特徴です。
サーバー型RPAの特徴をそれぞれ詳しく解説します。

(1)大量のデータを一括処理できる

RPAが自社サーバー上にあり容量が大きいため、RPAと各パソコンを接続することで大量のデータやルールを横断的に一括管理し、同時に複数のRPAを稼働させられるため全社的に業務を効率化することができます。
サーバー型RPAの大きな特徴は、大容量を活かした高いパフォーマンスで、部門間での作業連携や全社的なプロジェクトの効率化に貢献することが可能です。

(2)自社の社内環境にあわせて柔軟に開発できる

サーバー型RPAは、自社独自のカスタマイズが可能であり、開発を行うことが可能です。
特定のPCが不具合を起こした場合でもサーバー型RPAならパソコンを変えて対応することができます。代替性の高さもサーバー型が持つ魅力だと言えるでしょう。大多数の担当者が関わる業務を効率化したいという要望がある場合には、サーバー型が重宝されます。

(3)高いセキュリティ

サーバー型RPAは自社サーバー内にRPAを構築するため、情報漏えいや不正アクセス、乗っ取りなどのリスクや脅威に対しての危険性も低く、高いセキュリティを確保することが可能です。

(4)高価格

サーバー型RPAは、サーバーやネットワーク環境から構築する必要があることと、RPAのシステム自体も高額なものが多いため構築にかかる初期費用と運用コストは高くなります。
初期費用が数百万円から高額なもので数千万円、ランニングコストも月額数十万円かかるものもあるため、本当にサーバー型のRPAが必要なのかの慎重に検討することが重要です。

(5)一元管理が必要な企業や大規模展開向け

サーバー型RPAは前述で述べたように、カスタマイズをはじめ一元管理できることや膨大なデータを処理することに長けており、PC1台に対して100体以上のRPAロボットを稼働させることが可能なため、全社横断で業務を自動化する大規模展開向けです。
高額ではあるものの、セキュリティ対策の観点からは非常に有用です。
このような理由から、サーバー型RPAは自治体や金融業・保険業、大手企業での導入が多くみられます。

デスクトップ型RPAの特徴

デスクトップ型RPAとは

デスクトップ型RPAは、特定のパソコン上にRPAをインストールさせることで、そのパソコン上でのみRPAロボットが稼働し業務を効率化します。1人の担当者の仕事、あるいは特定の部門の業務が煩雑な場合にデスクトップ型が有用です。
また、比較的低コストで初心者向けのものが多く、エンジニアや専門担当が不在でもできるだけ早くRPAの効果を実感したいという場合もデスクトップ型RPAが適しています。
デスクトップ型RPAの特徴をそれぞれ詳しく解説します。

(1)プログラミングや専門的なIT知識が不要

デスクトップ型RPAの多くは、現場の業務担当者やプログラミングや専門的なIT知識がなくてもRPAを作成・運用することが可能です。

ツールによっては、プログラミングやVBAなどの知識が必要な場合もありますが、IT知識や専門スキルがなくても簡単に自動化できる機能がついたRPAツールが非常に多く、初めての方でも比較的に簡単に導入できます。

(2)パソコンごとで業務の自動化が可能

デスクトップ型RPAでは、パソコン1台ごとにRPAをインストールするため、特定のパソコン(人)ごとの業務を自動化することが可能です。そのため、現場の担当者がRPA導入の効果をすぐに実感しやすいことが特徴す。

導入後の業務の紐づけに関しても、デスクトップ型RPAなら細かい設定がしやすく、運用面でも柔軟にカスタマイズが可能です。
また、社内にあるほかのパソコンと連携する機会が少ないため、機密情報を取り扱う場合でも、情報が漏れるリスクを低減できます。
ただしRPAロボットが作業している間はそのパソコンは利用できないため、注意が必要です。

(3)部門や現場担当者が管理・運用できる

デスクトップ型RPAツールでなら1ライセンス1PC単位での導入ができるため、部門や個人単位での導入が可能です。組織的な管理が不要で、導入ハードルも他のRPAよりも低いのが特徴です。
さらに担当者レベルでRPAロボットを作成~管理・運用でき、変更を行う際にも、担当者の判断で素早く最適な状態に変更することができます。
担当者レベルでの導入がしやすい反面、RPAの管理が属人化しやすい傾向がありますので、引継ぎなどの場合に備えてマニュアル化しておくことをおすすめします。

(4)低価格・短期間からのスモールスタートが可能

デスクトップ型RPAは低コストかつ導入から効果検証まで迅速に行えるためスモールスタートが可能です。RPAを導入することでどのくらい費用対効果があるのか不安という場合にも、デスクトップ型RPAならまずはコストを抑えて特定業務の効率化からスタートし、その効果を実感してから改めて全社的に導入を進めていくという方法をとることもできます。

初期費用がナシのものから数十万円、月額費用も数万円から十数万円のものが多く、利用期間も1カ月単位で契約できるものもあるため、短期間でのお試し運用も可能です。

(5)中小企業・初めてのRPA導入企業向け

デスクトップ型RPAは導入の手軽さや、各デスクトップ(パソコン)上の業務を自動化することに向いているため、小規模~中小企業が多く導入しています。
特定の業務を個別に自動化したい場合や、企業が初めてRPAを導入する場合、低予算で効果を確認したい場合にも適しています。

クラウド型RPAの特徴

クラウド型RPAとは

クラウド型RPAはクラウドサービスとしてRPAツールが提供されており、主にインターネット(Webブラウザ)上でのルーティン業務を自動化することに最適です。リモートワークや分散した作業環境での利用も容易になります。
クラウドサービス以外のローカルにあるExcelなどのアプリケーションやレガシーシステムと連携させて自動化を行うのは難しいというデメリットがあるものの、デスクトップ型同様に導入コストを安く抑えることができます。

(1)RPAと他の作業を同時に実行できる

デスクトップ型のRPAツールは、RPAロボットが作動している間はパソコンが占有されるため、ほかの作業を実行することが難しくなります。ですが、クラウド型のRPAツールならブラウザを開くだけで稼働するため、並行してほかの作業を行うことが可能です。自社サーバーやパソコンへの影響が少ないため、自分の業務をしながらRPAを動かすことが可能です。

(2)Web・クラウド上の作業が対象

クラウド型RPAは名前の通り、クラウド(Webブラウザ)上の業務を自動化します。スプレッドシートやクラウドサービスなどウェブ上で動いているシステムなら自動化することが可能です。また、インターネットに接続できるパソコン端末であれば、OSやスペックによる制限を受けずに利用することが可能です。
一方で、自動化できる業務範囲は基本的にWebブラウザ上での作業に限定されるため、ローカルファイルの編集や、社内システムなどに対する操作には対応できないケースも多くあります。

(3)低価格・スモールスタートが可能

クラウド型RPAは通常、サブスクリプション型の月額で提供され、機能や稼働・利用量に応じて柔軟に課金されるタイプが多いです。大体数千円~月額十数万円と価格帯は幅広いものの、低価格なサービスであれば低い初期投資で導入でき、また、必要に応じてスケールアップすることが可能です。

(4)インストールや更新作業が不要で運用・保守がラク

クラウド型RPA
は、ベンダー企業が提供するクラウド環境にRPAロボットを構築する仕組みでのため、ライセンスのダウンロードやインストール、アップデート作業は一切不要で、手間も時間もかかりません。また、システム障害時のトラブル対応などもベンダーに任せられることから、運用・保守の手間が削減できます。

(5)中小企業~大企業向け

クラウド型RPAは業種や規模にかかわらず利用できるため、中小企業から大企業まで様々な規模の企業に導入されています。中小企業は手頃なコストで導入でき、大企業は柔軟性と拡張性を活かすことが可能です。

RPAの規模別導入率

スターティアレイズ株式会社が、2023年12月に「RPAに関するアンケート調査結果」を実施したところ、RPAを導入した大企業と中小企業でのRPAの種類に違いがあることも分かりました。

RPAの規模別度入率をグラフ化

大企業でのRPA導入はクラウド型RPAが29.85%と一番多く、次いでサーバー型RPAが24.92%、デスクトップ型RPAが16%となっています。
一方で中小企業はデスクトップ型RPAとサーバー型がともに34.87%と両方での高い導入率になっています。
大企業に比べ、中小企業ではデスクトップ型RPAの導入率が高いことから、低コストで導入しやすく、部門や個別の業務プロセスの自動化に焦点が当てられていると考えられます。

【2023年度版】RPAツール導入に関するアンケート 調査結果レポート

【2023年度版】RPAツール導入に関するアンケート 調査結果レポート

2023年に、RPAツールの導入状況や導入前後の課題、利用状況を調査し、レポートを作成いたしました。

レポートをダウンロードするicon image

RPAの種類×ニーズで最適なツールを選ぶ

RPA導入においてニーズ・課題別でのおすすめのRPAを紹介いたします。
自社のニーズ・課題にあったRPAを選択することが重要になるため、ぜひご参考ください。

現場担当者が運用したい:クラウド型RPA/デスクトップ型RPA

現場の業務担当者がRPAを作成・運用したい場合は、比較的簡単にできるデスクトップ型RPAまたはクラウド型RPAの導入がおすすめです。
デスクトップ型は担当者や特定の業務を自動化するのに向いています。

サーバー型RPAの場合、プログラミングに関する専門の技術や知識が必要なことが多いため、ITエンジニアや情報システム部門など高いスキルを持った人材が必要となります。そのため、プログラミングに関する専門知識がなくても比較的簡単に作成できるデスクトップ型RPAやクラウド型RPAの導入が向いています。低コストでエンジニアや情シス担当がいない企業でも導入できることから手軽に導入することができます。

自社開発システムやローカル環境での活用が多い:サーバー型RPA/デスクトップ型RPA

自社開発システムやレガシーシステムなどのシステムとデータ連携したい場合や、Excel・デスクトップアプリケーションなどのローカル環境での作業を自動化したい場合はデスクトップ型RPAまたはサーバー型RPAの導入がおすすめです。

デスクトップ型RPAやサーバー型RPAならパソコン上で動くシステムならWebブラウザでの作業もローカル環境での作業もどちらも自動化することが可能です。
一方で、クラウド型RPAはインターネット上の業務は自動化することはできますが、ローカル環境での作業の自動化には適していません。

導入・運用コストを抑えてスモールスタートではじめたい:デスクトップ型RPA/クラウド型RPA

デスクトップ型RPAとクラウド型RPAは、サーバー型RPAに比べサーバーの構築やRPAの開発などの初期投資が少なく、ランニングコストも抑えられるため、コストを抑えて導入したい場合におすすめです。

特にデスクトップ型RPAはパソコン1台から導入できるため、比較的安価なツールが多いです。
また、専門的なスキルや知識がなくてもRPAの作成が可能で、すぐに運用を開始することができるため、スモールスタートにも適しています。

部門横断且つ組織的に業務効率化を進めたい:サーバー型RPA

組織で横断的に業務効率化を進めたい場合は、サーバー型RPAをおすすめします。

サーバー型RPAは、自社サーバー上で処理を行うため、扱えるデータ量が圧倒的に多く、複数端末での処理が可能です。複数のRPAロボットが同時に稼働し、複雑なタスクも高効率に処理します。そのため、大規模かつ部門を横断したRPA化も実現可能です。
また、自社で環境構築やカスタマイズ、開発を自由に行えるため柔軟性が高いのが特徴です。組織全体での業務の自動化を進め効率化を実現する際には、サーバー型RPAが効果的です。

Webブラウザ上の業務を自動化したい:クラウド型RPA

Webブラウザ(インターネット)上の業務を自動化したい場合は、SaaSやクラウドサービスとの連携性が高いクラウド型RPAがおすすめです。

クラウド型RPAは、基本的にWeb上の業務効率化に特化したRPAであることから、Web上での作業のみを自動化したい場合には有用です。
例えばGoogleワークスペースでの作業や、Webサイトから定期的に情報を収集して資料化したい場合などは、クラウド型RPAの導入が適しています。
さまざまなクラウドサービスと連携できるAPIを標準搭載しているものもあるため、予め自社で利用しているSaaSと連携可能かも確認しておくことも必要です。

RPAツールを選ぶ際のポイント

RPAツールを選ぶ際のポイントを解説

RPAを選定する前に、最初に導入目的を明確にし、どの業務を自動化するべきなのか棚卸を行ってからRPAツールを選定することをおすすめします。その上で必要な機能やコスト、無料トライアルで運用できそうかどうか確認してみましょう。

自社の業務にあったRPAツールかどうか

まずは、自動化したい業務を洗い出した後、対象範囲がどこまでなのか、さらに導入候補のRPAツールに自動化したい対象業務に適した機能が搭載されているか確認します。
RPAはツールによって得意不得意があり、自動化できるシステムも異なりますので、利用しているシステムとの連携実績があるのかどうかベンダーに聞くのもおすすめです。

自社で作成・運用できそうかどうか

自社でRPAを作成・運用できそうかどうかきちんと見極めてから導入することも重要です。いくら多機能で優れた機能を持っていても、利用者が使いこなせなければ意味がありません。
新たに自動化したい業務が出てきた際に、RPAロボットの作成が容易か、エラーや不具合が発生した際に修正を行えるかが重要なポイントです。
特に現場の業務担当者が運用する場合、プログラミングが必要なRPAを導入しても使いこなせず費用対効果も悪くなってしまうため、誰でも簡単に作成できるものを選ぶ必要があります。実際にRPAを利用する担当者のリテラシを考慮した上で、運用が可能な製品を選びましょう。

予算・費用

RPAを選ぶ際は、予算との折り合いや費用対効果も重要です。
RPAは大規模導入に適したサーバー型RPAから、パソコン1台からスタート可能なデスクトップ型RPAと対象規模も異なります。一般的には規模に比例して導入コストも上がるため、自動化の対象範囲を定めることで無駄なコストを省くことにもつながります。
また、不必要な機能や高すぎる性能は、コストを高くする要因になります。

自社の予算と必要な機能のバランスを考え、自社の利用方法にあったコスト体系を提供しているツールを選定してください。

無料トライアルがあるか

無料トライアルでのお試し運用が可能かどうかは、実際に使い勝手や操作感など確かめ自社で運用できそうか判断するためにも非常に重要です。
そのため、RPAツールを導入する前に無料トライアルが可能なツールを選ぶと、導入に失敗するリスクを抑えられます。

RPAの導入前に無料トライアルを実施可能なサービスは多くあるため、トライアル期間に実際にRPAを動かしてみて自社の業務との親和性をチェックしましょう。

サポート体制がしっかりしているか

サポート体制がしっかり整っているかも、RPAを選定する際に重要な確認ポイントです。
RPAは運用開始後にもRPAロボットの変更があったりエラーが起こったりなど、自社での対応が必要となる場合が多々あります。
その際にサポート体制がしっかりしているかの確認も必要です。

また、導入前からRPA作成のフォローを行っている会社もあるため、導入に不安な企業は導入前からサポートを受けられる会社を選ぶことをおすすめします。
サポートには有人対応だけでなくRPAの操作に関するセミナーや動画を準備している会社もあるため、自社に合ったサポート体制をとっている会社を選びましょう。

社内展開ができそうか

RPAが得意とする定型業務は、総務や経理、マーケティング部門など、どの部署にも存在します。そのため、他の部署へと展開できれば、会社全体で効率化や経費削減を実現できる可能性が高まります。

自部門だけでなく他部門への展開も検討に入れている場合、特定の業務に特化したものや複雑なツールではなく、汎用性が高くシンプルで誰にでも利用可能なツールを選定するのがおすすめです。

サーバー型RPAツールおすすめ3選

BizRobo!

BizRobo!(ビズロボ)


BizRobo!(ビズロボ)icon image
」は、RPAテクノロジーズ株式会社が提供するRPAツールで、デスクトップ版からサーバー版まで提供しています。機械学習機能(ISA)を搭載している他、複数のロボットを一元管理することが可能です。
1ライセンスで複数のRPAを稼働させることができるため、大規模な業務の効率化を実現できます。
サポート体制も充実しており、チュートリアル動画からセミナー開催、サポートサイトも常設されています。

費用・プラン

プラン 初期費用 年間費用 同時稼働ロボット
BizRobo! Lite 30万円 120万円 1
BizRobo! Lite+ 30万円 180万円 2
BizRobo!Basic 50万円 720万円 1~10

無料トライアルの有無:有

BluePrism

BluePrism(ブループリズム)


BluePrism(ブループリズム)icon image
」は、イギリスのBluePrism社が開発した、サーバー型のRPAツールです。170を超える地域で、2,000を超える企業に採用されています。当初、イギリスの金融機関のバックオフィス業務を自動化するツールとして提供されていたことからセキュリティ性能が高く、数多くの金融機関での導入実績があります。また、サービスが会社全体として対象業務の領域を拡大していくことを前提に作られているため、エンタープライズで利用するために必要な統制機能、拡張性を兼ね備えています。
Blue Prismの費用については本番環境で実行しているロボットの同時稼働数によって料金が発生するタイプのため問い合わせが必要です。

費用・プラン

プラン 初期費用 年間費用
ライセンス販売 要問い合わせ 120万円~/ライセンス

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(30日間)

NICE Advanced Process Automation(NICE APA)

NICE Advanced Process Automation(NICE APA)


NICE Advanced Process Automation(NICE APA)icon image
」は、イスラエルのナイス・システムズ社(NICE社)が提供しているRPA製品です。NICE社はコールセンター業務のソリューション事業を中心にしており、コールセンター業務の1つであるアフターコールワークの自動化に向けてRPAを発展させてきました。電話業務の不備をカバーし、顧客管理を効率化できることから、コールセンター部門やコールセンター事業をはじめ、電話対応の多い企業に大きく効果を発揮します。
NICE APA製品には、完全自動実行のサーバー型RPAツール「NICE RoboticAutomation」と、デスクトップ型RPAツールの「NEVA」があります。サーバー型RPAのRoboticAutomationでは、ロボットが完全に独立して業務を処理するため、人はクリエイティブな仕事に集中することが可能です

費用・プラン

プラン 初期費用 費用
サーバー型 要問い合わせ 3,5000,000円/ロボット
デスクトップ型 要問い合わせ 350,000円/ライセンス

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:要問い合わせ

デスクトップ型RPAツールおすすめ5選

Power Automate Desktop

Power Automate Desktop(パワー・オートメイト・デスクトップ)


Power Automate Desktop(パワー・オートメイト・デスクトップ)icon image
」は、Microsoft社が提供するMicrosoft365製品に含まれているMicrosoft Power Automate の一機能です。Power AutomateDesktopはデスクトップ上の作業の自動化を実現するRPAツールで、450種類以上のアクション・トリガーを利用してローカルアプリケーションの自動化やWebアプリケーションの自動化を行うことができます。Windows10 および Windows 11ユーザーであれば、無償で利用することが可能です。プログラミングの知識が少しあれば無償で簡単に利用できることから近年利用者も増えています。
ただしの場合は有人サポート体制がないため、Microsoft社や他サイトを見ながら独学での習得が必須です。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
無償版 0円
Power Automate プレミアム ¥1,875円/ユーザー
Power Automate プロセス ¥18,750円/ボット

無料トライアルの有無:有(30日間)

UiPath Platform

UiPath Platform(ユーアイパス プラットフォーム)


UiPath Platform(ユーアイパス プラットフォーム)icon image
」は、UiPath株式会社が提供するRPAサービスです。アメリカのUiPath社が開発しています。日本を含め全世界で数千社の導入実績を誇っており、400種類以上のアクティビティが搭載、プログラミング不要でさまざまな業務アプリケーションに対応するRPAロボットの開発ができます。また、UiPathPlatformには、高度な分析ツール「Insights」も搭載されており、自動化によって創出できた時間や削減できたコストも確認することが可能です。UiPathのオプションでオーケストレーションというツールを入れることで集中管理ができるようになります。
個人利用においては、フリープランで無償利用することもできます。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
Free 0円 0円
Pro $420
Enterprise 要問い合わせ

無料トライアルの有無:有(60日間)

WinActor

WinActor(ウィンアクター)


WinActor®(ウィンアクター)
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」は2010年にNTTの研究所で産まれたNTTアドバンステクノロジ株式会社が提供する純国産のRPAサービスです。
国内の8,000社を超える導入実績(2023年11月末時点)を持ち、金融業をはじめ、情報システム業、製造業、物流業など幅広く導入されています。国内での知名度も高く、日本企業の業務プロセスに適合したライブラリが豊富です。パソコン1台からの導入が可能で、多少のIT知識は必要なものの高度なスキルは必要なく導入できます。
RPAロボットの作成方法のチュートリアルや、Webマニュアルなどのサポートツールも充実しており、RPA技術者検定保有者による勉強会も定期的に開催されています。

費用・プラン

プラン 初期費用 年間費用
フル機能版 908,000円/台
実行版 248,000円/台

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(30日間)

RoboTANGO

「RoboTANGO(ロボタンゴ)」

RoboTANGO(ロボタンゴ)icon image」は、弊社スターティアレイズ株式会社が提供している国産デスクトップ型RPAツールです。製造業や卸売・小売業、医療・福祉、運輸・物流業など幅広い業種へ600社以上の導入実績があります。
プログラミング知識や専門スキルが不要で録画機能を搭載し、分かりやすいUI/UXのため、だれでも簡単にRPAを作成することが可能です。
1ライセンスで複数のPCにインストールできるフローティングライセンスを採用しているため、他部門や他拠点と共同で利用することができ効率的に業務を自動化することが可能です。AI-OCRやiPaaSとの連携も可能。
また、ツールの導入前からRPAの作成支援を実施しており、導入後すぐに成果を上げることができる体制をとっています。
スターティアレイズではRoboTANGOのほかに、Robo-PatDXをはじめWinActorなど、幅広いRPAツールを取り扱っており、顧客に合わせた提案ができるのも特徴です。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
基本プラン 100,000円 50,000円/ライセンス
リモレクプラン 150,000円 80,000円/ライセンス

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(2週間)

Robo-Pat DX

Robo-Pat(ロボパット)


Robo-Pat(ロボパット)icon image
」は、株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供する国産のRPAツールです。1つのライセンスで複数のPC端末で使えるフローティングライセンスを標準提供しており、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作性で初心者でもRPAロボットの作成ができる現場の担当者向けに設計されたRPAです。2022年10月時点で1000社以上の導入実績を誇ります。フル機能版とはRPAロボットの作成と実行両方が可能なプランで、実行専用版はRPAロボットの実行と簡易な修正のみができるプランです。また、2泊3日でフル機能版を手軽に利用できるのも特徴です。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
フル機能版 120,000円/ライセンス
実行専用版 40,000円/ライセンス
レンタルRPA
※フル機能版
19,800 円
※2泊3日

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(1カ月間)

クラウド型RPAツールおすすめ4選

Automation 360

Automation 360(オートメーション360)


Automation 360icon image
」は、アメリカのAutomationAnywhere社が開発したRPAツールで、日本ではオートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社が提供しています。AIを活用したRPAプラットフォームであるということと、「Automation Anywhere University」という学習サービスにてe-ラーニングコンテンツが提供されており、特定の講座を受講すると資格試験を受けられるという特徴があります。
もともとサーバー型のAutomation Anywhere Enterpriseをメインとして提供されていたものの、2019年頃にクラウド型の「Automation 360(旧A2019)」に大きく製品変更し、現在はAutomation 360が新しいプラットフォームとし提供されています。
高い性能と豊富な機能、全社規模にスケールアップできる拡張性があるため、基本大企業向けです。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
Cloud Starter Pack 要問い合わせ $750 USD
Advanced Pack 要問い合わせ 要問い合わせ

無料トライアルの有無:有(30日間)

AUTORO (旧 Robotic Crowd)

AUTORO(オートロ)


AUTORO(オートロ)icon image
」は、オートロ株式会社が提供するクラウド型RPAツールです。AUTOROは、Excelやkintone、Salesforceを始めとした多数のAPI連携機能を標準搭載しているため、自社で利用しているサービスと簡単に連携が可能です。プログラミングの知識がなくても簡単にRPAを作成できることに加え、ワークフロー数の制限がなく、多⼈数でのアクセスも可能です。パソコン端末もWindowsでもmacでも両方で操作することができます。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
スタンダード 300,000円 100,000円

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(2週間)

BizteX cobit

BizteX cobit(ビズテックスコビット)


BizteX cobit(ビズテックス コビット)icon image
」は、BizteX株式会社が提供する国内初のクラウド型RPAです。
導入後は専任のCS(カスタマーサクセス)にRPAロボットの使い方や管理方法など導入から運用部分までサポートしてもらえるため、初めての導入の方でも安心できるサポート体制になっています。
ロボット稼働ステップ数によってプランが変わってくるため、予めどれくらいのボリュームが月間で発生するのか確認しておくことをおすすめします。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用 ロボット稼働
ステップ数
エントリープラン 要問い合わせ 100,000円 10万
スタンダードプラン 要問い合わせ 200,000円 30万

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(1週間)

Coopel

Coopel(クーペル)


Coopel(クーペル)icon image
」は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供するクラウド型RPAツールです。
直観的な操作性でアカウントごとの課金体系のため、少人数での運用であれば安価で手軽に導入することが可能です。また、クラウド上だけでなくExcel作業の自動化も対応しており、作成したRPAロボットを共有したり、部門・チームでの活用がしやすいのが特徴です。
チュートリアル機能(管理画面に表示される指示に従って操作方法を覚える仕組み)が搭載されているため、初心者にもやさしい設計になっています。

費用・プラン

プラン 初期費用 月額費用
Businessプラン 5,400円/アカウント
※各ワークスペースに所属するユーザーごと

※価格は税抜きです。

無料トライアルの有無:有(30日間)

RPAの種類まとめ

今回は「サーバー型RPA」「デスクトップ型RPA」「サーバー型RPA」の違いや特徴を解説しました。各RPAには、異なるメリットがあり、それぞれに適した領域があります。

大規模展開且つローカルアプリケーションとクラウドサービスの業務効率化をしたい場合にはサーバー型RPA、個人の業務や特定の業務を自動化したい場合且つローカルアプリケーションとクラウドサービスの業務効率化をしたい場合にはデスクトップ型RPA、Web上の作業に特化して業務効率を行いたい場合はクラウド型RPAがおすすめです。
RPAを選ぶ際は、カスタマイズの必要性や、自社でしっかり運用できそうかどうか、サポート体制はどうか、コストが見合っているか、無料トライアルの有無や期間など、さまざまな角度から検討してください。
まずは自社の状況を把握し業務の棚卸を行ってから、どれくらいの規模でどのような業務を効率化させたいのかをイメージしてから導入検討を進めましょう。
無理をせずに導入すること、そして、「長期的にどのくらいRPAを活用したいか」という両面で、検討し、焦らず最適な選択をすることが大切です。