RPAの基礎知識

2024.11.22

RPAの画像認識とは?仕組みやメリット・デメリット、活用事例、他の認識方法との違いを徹底解説

  • RPAの認識方法
  • 画像認識
RoboTANGO編集部
RPAの画像認識とは?仕組みやメリット・デメリット、活用事例、他の認識方法との違いを徹底解説

RPAは、日々の繰り返し作業を自動化し、業務効率化を実現する注目のツールです。
RPAの認識方法の一つである「画像認識」は、画面上の要素を視覚的に認識して操作を行う技術で、多くの業界で活用されています。

特に、古いシステムやカスタム画面構成での作業に効果を発揮し、直感的に扱えるため初心者にもハードルが低く、プログラミング不要で簡単に導入できる点が大きな魅力です。

本記事では、RPAの画像認識方法について解説し、仕組みやメリット・デメリットを詳しく紹介します。また、具体的な活用事例を交えながら、座標認識やオブジェクト認識との違いや、それぞれの選び方のポイントも解説いたします。

目次

    RPAの認識方法とは

    RPAの認識方法とは、RPAが人間の行う操作を画面上で認識し、自動化するために記録する方法

    RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)の認識方法とは、RPAロボットが画面上の操作対象(ボタンや入力欄など)をどのように特定し、指示された操作を実行するかを決定する仕組みです。

    簡単に言うと、RPAの認識方法は、人間が行う画面の操作をRPAロボットが再現するための仕組みで、RPAがどのように画面上の要素を認識するかが認識方法のポイントとなります。認識方法は主に「画像認識」「座標認識」「オブジェクト認識」の3つがあります。

    たとえば、毎朝決まったシステムにログインし、特定のデータをダウンロードする業務を自動化したい場合、RPAは以下のように画面上の要素を認識し操作を進めます。

    • 1. ログイン画面の「ユーザー名」や「パスワード」入力欄を識別し、必要な情報を入力。
    • 2. 「ログイン」ボタンを探してクリック。
    • 3. システム内の「ダウンロード」ボタンを見つけてクリックして実行。
    人と同じ一連の作業を実行するために、RPAロボットがパソコンの画面上を「どのように認識するか」が認識方法のカギ

    この一連の操作を実行するために、RPAはパソコンの画面を「どのように認識するか」が鍵となります。

    たとえば、RPAの画像認識方法では、人間が目で画面を見るように、ボタンやアイコンなどの視覚的なデザインを基に判別して操作します。一方、座標認識では、画面上の特定の位置(X座標、Y座標)を基準に動作を行うため、画面デザインが変化しても座標が一定であれば機能します。また、オブジェクト認識の場合、画面の裏側にあるシステムの要素やコードを読み取るため、動的に変化する画面や最新のクラウドシステムにも対応できるのが特徴です。
    認識方法によって、操作の精度や適応性が変わるため、業務内容やシステム特性に応じて最適な方法を選択することが重要です。

    次の章では、RPAの画像認識について詳しく解説していきます。

    RPAの画像認識とは?仕組みと特徴

    画像認識とは?

    RPAの画像認識とは、画面上の特定の画像やアイコンを認識して操作を行う方法

    RPAの画像認識は、画面上のバナーやアイコンなどを「画像」として認識し、操作を自動化する技術です。人間が目視で行う操作をそのまま再現する仕組みで、特別な技術知識が不要なため、初心者にも扱いやすく、導入のハードルが低い点が特徴です。

    この認識方法は、固定された画面構成の業務だけでなく、定期的な更新がある業務フローや、カスタム画面設計のシステムにも柔軟に対応できます。

    たとえば、送信ボタンやテキスト入力欄を「画像」として登録し、それを基にクリックやデータ入力を自動化することで、視覚的な要素をそのまま活用した効率化が可能です。

    さらに、画像認識はテンプレート化された業務や、毎月決まったフォーマットを使用する処理で特に効果を発揮します。従業員が既存の業務フローを大きく変えずに効率化できるため、運用負担を最小限に抑えながらメリットを享受できます。また、グラフやアイコンなど視覚的要素に基づいて動作するため、カスタマイズ性が高く、幅広い業務に適用可能です。

    RPAの画像認識が動作する仕組み

    画像認識の仕組みとして、初心者でも直感的に理解しやすい設計となっています。画像認識では、視覚的な要素を取り込んで操作を実行するため、シンプルな設定で利用を開始できます。

    画面キャプチャを基に動作を識別

    画像認識は、画面のキャプチャを取り込み、操作対象を特定します。たとえば、「送信ボタン」をクリックする場合、そのボタンの形や色、位置を画像として登録します。
    これにより、複雑なプログラミングやコーディングなしで、簡単に操作を自動化できます。また、画面構成が比較的安定している業務はもちろん、簡単にカスタマイズできるため、さまざまな業務に適応可能です。

    <業務例>毎朝、会社の経費管理システムにログインして帳票をダウンロードする業務がある場合

    RPAに経費管理システムのログイン画面を画像として認識させ、「ユーザー名」や「パスワード」の入力フィールド、そして「ログイン」ボタンの位置を記憶させます。
    次に、RPAがIDとパスワードを入力する手順を記録します。これにより、RPAは登録されたID/PASSを正確に入力し、「ログイン」ボタンをクリックして画面を進めることができます。
    ログイン後は、画面上の帳票ダウンロードリンクやボタンを同様に画像認識で特定し、自動的にクリックして指定フォルダに保存する操作も可能です。

    画像認識による業務自動化の流れ

    この一連のフローにより、手作業でのログイン・入力ミスやダウンロード漏れを防ぎ、業務を効率化できます。

    画像テンプレートマッチング

    テンプレートマッチングでは、事前に登録した画像テンプレートと画面上の要素を比較し、一致した要素を自動で操作します。
    たとえば、月次レポートを生成する際、決まったボタンや入力欄を画像テンプレートとして登録しておけば、それらを基に正確な操作を実行できます。この仕組みは、特に画面デザインが頻繁に変更されない業務や、特定のフォーマットに基づく操作で大きな力を発揮します。

    RPAの画像認識を活用するメリット

    RPAの画像認識の5つのメリットを紹介

    RPAの画像認識には、多くの業務において効率を向上させる特長があります。本章では、その具体的なメリットを解説します。

    1.プログラミングや専門知識が不要で簡単に利用可能

    RPAの画像認識は、プログラミングの知識がなくても簡単に利用できる点が最大の特長です。

    画面上のボタンやアイコンを画像として登録するだけで、自動操作を設定できるため、ITの専門知識がなくても扱いやすく、操作も簡単です。
    特に初心者や現場の実務担当者が運用する場合には、業務で使うボタンや入力フォームを目視で確認しながら画像として設定できるため、直感的に作業を進めることが可能です。また、業務全体を把握している実務担当者が主体となってRPAを構築することで、より業務フローに即した形で自動化を進めることができ、効率的かつスムーズな運用が実現します。
    画像認識を基盤としたRPAツールは、現場での実務に適しており、実務担当者が運用する際は手動で行っていた作業をそのまま自動化できるため、短期間で効果が得られ、現場の業務改善に直結しやすい点も大きなメリットです。

    2.固定デザインのシステムに強い

    画像認識は、画面レイアウトが固定されているシステムやアプリケーションに非常に有用です。

    例えば、特定の業務用ソフトウェアや内部システムなど、UI(ユーザーインターフェース)の変更が少ない環境では、アイコンやボタンの位置が変わらないため、画像認識を使った自動化が安定して機能します。そのため、一度設定すればその後のメンテナンスが少なく、RPAの運用コストを低減することができます。
    また、ボタンの見た目が同じであれば、画面のレイアウトやサイズが変わっても操作を継続できるところも特徴です。

    画像認識は固定されたデザインに対しては認識精度が高いため、誤動作のリスクも低く抑えられます。

    3.多少のUIの変化に左右されない柔軟性

    画像認識は、操作対象を「画像」として認識する仕組みのため、UI(ユーザーインターフェース)の小さな変更に対しても安定して動作します。

    たとえば、ボタンの色や形状が少し変わる、アイコンのデザインが微調整される場合でも、大幅な再設定を必要としない点が特徴です。
    また、画面上で操作対象が上下左右に移動したとしても、操作対象が一意であれば正確に認識して動作を続行します。このため、リスト形式のデータ操作や、変動するダッシュボードの項目操作などにも柔軟に対応可能です。

    さらに、システムが古く、オブジェクト認識に対応していない場合でも、視覚的な情報を基に動作するため、古い業務システムや独自開発のアプリケーションでも問題なく自動化を実現できます。
    このように、多少のUI変更や環境変化にも対応できる柔軟性は、幅広い業務環境で活用可能な画像認識の大きな強みと言えるでしょう。

    4.自動化できるシステムやアプリケーションの幅が広い

    画像認識は、特定の種類のアプリケーションやシステムだけでなく、さまざまなソフトウェアで使える点もメリットです。

    画像認識は画面上の視覚的要素(画像やアイコン)を基に操作を行うため、特定のソフトウェアやプログラム言語に依存せず使用できるためです。例えば、古いレガシーシステムから最新のクラウドベースアプリケーションまで、UIが表示されるほとんどのシステムで自動化することができます。

    そのため、企業は既存のITインフラを変更することなく、広範囲にわたる業務の自動化を実現できます。

    5.手作業での操作に代わる正確性の向上

    画像認識を活用することで、手作業での操作によるミスを大幅に減らすことができます。

    たとえば、経理業務で請求書を処理する場合、RPAは画像として登録されたテンプレートを基に正確にデータを入力し、作業を実行します。これにより、人為的な入力ミスや見落としを防ぎつつ、高速かつ正確に業務を進めることが可能になります。特に、手作業に多くの時間がかかる業務で、RPAの正確性が大きな成果を発揮します。

    RPAの画像認識を活用することで、業務の効率化だけでなく、導入のしやすさやシステム変更への対応力、そして作業精度の向上といった幅広いメリットが得られます。これにより、初心者から熟練の利用者まで幅広いニーズに対応できる点が画像認識のメリットです。

    RPA画像認識のデメリットと課題

    見た目の変化に弱い

    RPAの画像認識は画面上の見た目に依存するため、UI(ユーザーインターフェース)が変更されると正確に動作しなくなることがあります。
    たとえば、ボタンのデザインが大きく変わったり、同じ画面に似た要素が追加されたりした場合、認識精度が低下する可能性があります。
    また、画面解像度やディスプレイ設定が変更されると、視覚的な要素のサイズや位置が微妙に変化し、動作に影響を及ぼすことも考えられます。
    そのため、頻繁にUIが変更されるシステムやアプリケーションには不向きです。

    解像度や画面環境への依存

    画像認識は画面の解像度や表示環境に大きく依存します。
    たとえば、RPAが登録した画像テンプレートと実際の画面表示が異なる場合(解像度の変更やウィンドウサイズの調整など)、正確に認識できなくなる可能性があります。
    さらに、複数のディスプレイや仮想環境を使用している場合、動作が不安定になることもあります。

    これらの課題に対応するには、安定した画面構成の環境を維持しつつ、他の認識方法(オブジェクト認識など)との組み合わせを検討することが重要です。

    画像認識が効果的な業務の例

    本章では画像認識によるRPA活用が効果的な業務を一部ご紹介いたします。

    Excelや業務用アプリケーションでの作業

    RPAの画像認識は、ExcelやGoogle Sheetsなど異なるシートやワークブック間で共通する操作を簡単に自動化できます。
    アイコンやボタンの位置が統一されているため、一度画像認識でその位置を特定すれば、同じ操作を他のシートやブックで繰り返し実行できるため簡単に設定することが可能です。

    例えば、毎月の売上データを複数のシートから集計して報告書を作成する際、画像認識を用いて「合計」「コピー」「貼り付け」や「保存」といったボタン操作を自動化します。これにより、手作業による入力の繁雑さを軽減し、効率的に作業を進めることができます。

    UI変更が少ないレガシーシステム・スクラッチシステムの操作

    多くの企業で使用されているレガシーシステム(例:古いERPシステムや在庫管理システム)や、自社開発したスクラッチシステムは、APIのサポートがないことが多く、APIやスクリプトでの自動化が難しい場合があります。

    しかし、RPAの画像認識を使えば簡単に操作を自動化することができます。
    例えば、在庫更新の際に特定の「更新」ボタンをクリックする操作や、レガシーシステムのメニュー操作を自動化することで、業務の効率化が図れます。

    画像認識なら、古いシステムやスクラッチシステムを利用していても業務の自動化を進めることが可能です。

    社内基幹システムでの定型的な操作

    社内基幹システム(ERP、CRMなど)では、日々の業務で同じ操作を繰り返すことが多く、画像認識が有効です。例えば、SAPやOracle ERPを使った請求書の発行や在庫確認など、特定の画面で繰り返し行われる操作があります。画像認識を使って「発行」「保存」「検索」ボタンのクリックを自動化することで、社員の負担を減らし、業務のスピードを向上させることができます。

    RPAの画像認識を活用している導入企業事例

    <製造業>RPA活用でシステム間のデータ連携や転記作業などを自動化し、月間170時間の作業工数削減に成功

    日野興業株式会社様

    日野興業様は、DX化を推進する中で、依然として手作業が多く残っていることが課題でした。自社開発のシステムがAPI連携に対応していないため、各事業所でExcelデータを手動でシステムに転記し、クリックだけの単純作業にも多くのリソースを割いていました。特に、金額に関わるデータ入力ではヒューマンエラーが発生し、Wチェックや修正の負担が大きかったとのことです。

    RPA導入後は、工事現場案内図のデータベース格納、ドライバー情報管理、自社システムへの売上入力、社内ポータルからの配達一覧表のダウンロード作業などを自動化されました。特に、仮設トイレに関する作業では、9拠点で月間100時間以上の手作業が自動化されました。また、売上入力に関しては、9拠点で計45時間の作業時間削減を実現しました。

    結果として、月間170時間もの作業工数が削減され、手作業によるミスも軽減。Wチェックや修正が不要となり、担当者の負担が大幅に軽減されました。これにより、生産性の低い定型業務にリソースを割く必要がなくなり、重要な業務に専念できる環境が整いました。

    <製造業>RPA導入で在庫状況の更新や電子帳簿保存法対応業務などの業務を自動化

    光洋陶器株式会社様

    光洋陶器様は、多くの業務が属人化しており、担当者がいないと業務が滞ることが課題となっていました。さらに、システムの一括処理やデータ抽出を手作業で行うため、外注費や担当者の負担が大きくなっていました。特に、データ抽出は決まった時間に行う必要があり、他の業務を中断せざるを得ず、お客様対応にも支障をきたしていたため、RPAの導入を検討されました。

    現在は、ECサイトの在庫状況更新、販売管理システムの商品品番変更、売上管理ファイルの作成、Googleアナリティクスのデータ抽出、電子帳簿保存法対応など、多岐にわたる業務でRPAを活用しています。これにより、電話対応の片手間で業務を行う必要がなくなり、お客様対応に集中することでサービスの質が向上しました。また、外注していた定型業務をRPAで自動化することで、外注コストの削減を実現。業務の本質を理解する機会も増え、全体的な業務効率と品質の向上に繋がっています。

    <不動産業>RPA導入で不動産物件情報の更新作業などを自動化し、月間400時間以上の作業工数削減に成功

    株式会社R-JAPAN様

    R-JAPAN様は、各部署の業務課題をヒアリングした結果、毎日行う単純作業が多数存在しているため、多くの時間を浪費していることが判明しました。特に、物件情報の更新作業は各部署で必須の業務であり、滞るとお客様に最新情報を提供できなくなるため、業務の効率化が急務となっていました。また、人手不足も重なり、各部署の業務量が多く、効率化のために自動化ツールを探していたところ、スターティアレイズからRPAについて提案を受け、導入を検討しました。

    RPA導入後は、主に物件情報の更新を含む3つの業務でRPAロボットを活用し、業務時間の短縮を実現しています。
    物件情報の更新については、売買、管理、賃貸の各部署での作業がそれぞれ異なるものの、RPA導入によって作業時間が大幅に短縮され、人の手による作業はほぼゼロになりました。例えば、管理部門では、物件情報の更新作業にかかる時間が30分から7分に短縮され、賃貸部門では、営業時間外に10,000件以上の部屋情報を自動で更新できるようになり、生産性が向上しています。

    さらに、反響情報のExcel入力や物件の広告掲載の状態更新などの業務もRPAで自動化し、労力を大幅に削減することに成功しました。これにより、社員はより価値の高い業務に集中できるようになり、全体の業務効率が向上しています。

    <卸売・小売> RPA導入によりECサイト運営における業務を自動化し、年間800時間の作業工数削減に成功

    三誠商事株式会社様

    三誠商事様は、ECモールでの請求作業や在庫管理業務に課題を抱えていました。特に、外部倉庫の作業完了後に毎日1時間ほどかけて行う請求作業は、単純かつ反復的であり、時間と手間がかかっていました。また、在庫管理システムとAPI連携ができないために、多店舗展開が難しく、管理作業が煩雑になっていたことも課題でした。こうした課題を解決するため、最初は他社製品のRPAを導入しておられましたが、UI変更に伴う頻繁なメンテナンスが必要で、運用面での負担が大きかったことから、より低コストでフローティングライセンスが利用可能なRoboTANGOへ乗り換えを検討されました。

    RoboTANGO導入後は、ECモールの請求作業や在庫管理などを自動化し、業務の効率化を図りました。ECモールでの請求処理は、複数のECプラットフォームにおいて発生する業務が自動化され、毎営業日発生していた1時間以上の作業がRPAによりゼロになりました。また、在庫連携もRPAで自動化され、特にAPI連携がないECモールでも展開できるようになったことから売上向上につながりました。
    さらに、欠品防止業務として、朝5時に在庫更新を自動化し、販売機会の損失を防止することに成功しました。
    結果、残業時間の削減、業務効率の向上、コスト削減を実現する成果を実現されています。

    画像認識と他の認識方法の比較

    RPAでは、主に「画像認識」「座標認識」「オブジェクト認識」の3つの認識方法があります。それぞれに得意分野や適用場面が異なるため、目的やシステム環境に応じた選択が重要です。以下では、それぞれの特徴を比較しながら解説します。

    座標認識、オブジェクト認識との違い

    座標認識とは?

    RPAの座標認識とは、画面上の特定の位置(座標)を基準にして操作を行う方法のこと

    座標認識は、画面上の特定の位置(X軸とY軸の座標)を基準に操作を行う認識方法です。たとえば、「画面左上から200px右、300px下にある位置をクリックする」といった形で動作を指示します。

    この方法は操作が軽量でスピードが速いという特徴があり、画面構成が固定されている業務に向いています。しかし、画面解像度の変更やウィンドウの位置が動くと動作が不安定になるため、安定した環境での使用が求められます。

    オブジェクト認識とは?

    RPAのオブジェクト認識とは、アプリケーションやWebサイトの内部構造を解析し、特定の操作対象を見つけて操作する方法のこと

    オブジェクト認識は、画面上のボタンやテキストボックスなど、特定のUI要素を直接識別して操作する方法です。たとえば、「IDが’SubmitButton’のボタンをクリックする」といった具体的な対象を指定します。

    この方法は、プログラム的に要素を認識するため、UIのレイアウトが変更されても動作が安定しているのが特徴です。
    ただし、非標準的な設計やカスタマイズされたシステムでは要素が正確に認識できない場合があるため、環境に応じた設定が必要です。

    操作性と環境依存度の違い

    各認識方法の操作性と環境依存度の違いを比較

    画像認識

    画像認識は、画面のビジュアル要素を基準に動作を実行する認識方法で、特定のボタンやアイコンの形状、色、位置を画像として登録し、それを基に操作を行います。
    プログラムやコードに依存しないため、システムの種類や構造に関わらず直感的に設定でき、初心者にも扱いやすい点が魅力です。

    一方で、画面の解像度やデザインが変わると、登録した画像と一致しなくなる可能性があります。たとえば、画面レイアウトの変更やボタンデザインのアップデートが行われた場合、認識ができなくなることがあります。

    座標認識

    座標認識は、画面上の「固定された位置」に基づいて操作を実行します。たとえば、画面の左上から特定のピクセル数だけ離れた位置にあるボタンをクリックするような動作がこれに該当します。設定が非常に簡単で、処理も軽量であるため、シンプルな業務には適しています。

    ただし、画面レイアウトや解像度が変更されると操作がうまくいかなくなる点が大きなデメリットです。たとえば、モニターの解像度が変わったり、画面サイズが調整されたりした場合、RPAが指定した座標にアクセスできなくなるため、業務が停止するリスクがあり、柔軟性は低いです。

    オブジェクト認識

    オブジェクト認識は、画面上のUI要素(ボタン、入力フィールド、チェックボックスなど)をプログラム的に直接特定して操作を行います。画面のレイアウト変更やデザインの変更に強く、操作の正確性が非常に高いという利点があります。たとえば、クラウドシステムや動的な画面構成が頻繁に変化するシステムにも対応可能です。

    ただし、UI要素を特定するための設定に技術的な知識が求められる場合があります。HTMLやCSSなど、システムの裏側の仕組みをある程度理解する必要があり、初心者にとっては難易度が高いため、技術者の運用に適しています。

    コストと導入時の負担の違い

    コストと導入時の負担の違いの比較表

    画像認識

    画像認識はプログラミング知識が不要で、初心者でも直感的に操作を設定できるため、導入のハードルが非常に低いのが特徴です。初期導入コストも比較的安く、画面のビジュアル要素を活用するため、幅広い業務に対応可能です。ただし、画面変更時のメンテナンスに手間がかかる点が課題です。

    座標認識

    シンプルな仕組みでコストも低めですが、画面の固定位置に依存するため、レイアウトや解像度の変更に弱いという欠点があります。画面構成がほぼ変わらない業務においては効果を発揮しますが、柔軟性が必要な場合には適さないことが多いです。

    オブジェクト認識

    UI要素を直接認識して操作するため、画面レイアウトの変更に対しても安定性があります。ただし、初期設定にはプログラミング的な知識が求められる場合があり、導入コストと負担がやや高めです。高度な操作や複雑な業務には最適な方法と言えます。

    画像認識を選ぶ際のポイント

    本章では画像認識のRPAを選ぶ際のポイントを解説します。

    1.操作画面の安定性を確認する

    画像認識は画面の見た目に依存するため、操作対象のUIやレイアウトが頻繁に変わらない環境で最適に動作します。選定前に、対象業務の画面構成が安定しているか確認しましょう。例えば、レガシーシステムや固定レイアウトの業務には特に効果を発揮します。

    2.自動化対象業務の視覚要素を特定する

    画像認識では、ボタンやアイコン、入力欄などを画像として認識します。そのため、自動化したい業務に視覚的な特徴を持つ要素が多いかどうかをチェックすることが重要です。例えば、クリックする場所が明確で視覚的にわかりやすい業務は、画像認識が最適です。

    3.メンテナンスの頻度と負担を把握する

    画像認識は画面の変更に影響を受けやすいため、変更があった際のメンテナンスコストを考慮する必要があります。対象業務の画面変更が少ない場合、メンテナンスの負担は低くなり、画像認識を効果的に利用できます。一方で、頻繁に変更がある場合は、他の認識方法も検討しましょう。

    「RPAの画像認識とは」まとめ

    RPAの画像認識は、画面上の視覚的な要素を基に操作を実行する技術で、古いシステムや独自に設計された画面など、他の認識方法が適応しにくい環境でも高い効果を発揮します。特に、定型業務や繰り返しの作業が多い業務において、手作業の削減と効率化を迅速に実現するための有力な手段です。

    画像認識は直感的で導入のハードルが低く、プログラミングの知識がない初心者でも使いやすい点が大きな特徴です。一方で、画面デザインや解像度が変更されると認識精度に影響を受ける可能性があるため、環境や業務内容に応じた利用が重要となります。

    RPAツールで画像認識を活用することで、すぐに効果が期待できる一方、他の認識方法(オブジェクト認識や座標認識)と組み合わせることで、より幅広い業務に対応可能です。これにより、従業員の負担を軽減し、業務全体の効率と正確性を大幅に向上させることができます。

    RoboTANGOなら画像認識もオブジェクト認識も用途によって使い分けて使える

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    RoboTANGOは、画像認識とオブジェクト認識の両方に対応したRPAツールで、それぞれの特性を活かして柔軟に業務自動化を実現します。

    画像認識は、画面上の視覚的な要素を基に操作する技術で、古いシステムや独自画面の操作に最適です。
    オブジェクト認識は、システム内部の構造を理解し、動的なクラウドシステムや最新技術を活用した画面操作にも対応可能です。

    2つの認識方法を業務内容に応じて使い分けることで、操作の正確性や効率性を向上させると同時に、幅広い業務を自動化できます。また、RoboTANGOは初心者でも直感的に操作できる設計がされており、さらに低価格であることから導入のハードルが低い点も大きなメリットです。

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